42-1描画の発達と特徴

子どもは年齢とともに、世界をどう認識しているかを絵に表すようになります。
1歳から9歳ごろまでの発達は、大きく4つの時期に分けられます。

時期 年齢 内容
なぐり描き期
錯画期
1~2歳半
ごろ
ペンなどで点やグチャグチャな線を書く時期。
らせん
(スクリブル)を描くようになります。
象徴期
意味づけ期・命名期
2歳半~
3歳ごろ
らせんが閉じて円になります。
描いたものに名前をつけて意味を持たせます。
前図式期
カタログ期
3~5歳
ごろ
頭足人を描くようになります。
知っているものを画面いっぱいに複数描きます。
図式期 4・5~
9歳ごろ
地面のような基底線が現れます。
子どもの絵がますます発展し、独自の様々な表現が見られるようになります。

幼児画の特徴的な表現一覧

頭足人 顔から直接手足がついた人物の絵です
アニミズム表現 人間以外のものを擬人化して表現します
拡大描写 表したいものを大きく、詳しく描きます
基底線 地面を表す線や帯
(ベースライン)のことで、図式期に描かれます
空間表現 紙面の中央を大きく開けて、天地に描きます
視点移動表現 対象を上や横から見たように、視点を移動させて描きます
積み上げ表現 遠近がわからないので、隣のものを上に積み上げたように描きます
展開表現 上から見下ろした形や、つぶれたような形で描きます
同時同存表現 時間の経過を1枚の絵の中に表します
反復表現 自信を持って描けるものを何回も続けて描きます
俯瞰表現 上から見たように描きます
並列表現 同じものを横に並べて描きます
レントゲン表現
(透視表現)
本来は見えないものを透視するように描きます
  1. 基底線(地面)があるかないかが、前図式期と図式期を見分ける最大のポイントですわ💖
    また、空間表現(天地に描く)と積み上げ表現(上に重ねる)は、どちらも遠近感の未熟さからくるものですが、描き方の特徴が違うので混ぜないように気をつけてくださいまし🌹

描画材料を使ったテクニック

コラージュ
(貼りあわせ絵)
切り抜いた紙や布を組み合わせて、紙などに貼りつける
スクラッチ
(ひっかき絵)
クレヨン等で一面を多色で塗りつぶし、さらに黒で塗りつぶした後、釘や割り箸などでひっかいて下の色を出す
スタンピング
(型押し)
びんのふたや野菜の輪切り、木の葉などに絵の具をつけて押しつける版画の一種
ストリング
(糸引き絵)
絵の具をつけた糸を画用紙に置き、糸を引っ張る
デカルコマニー
(合わせ絵)
紙の片面に絵の具を垂らし、二つ折りにして開くと左右対称になる
ドリッピング
(吹き絵、
たらし絵、かけ絵)
水で溶いた絵の具を落とし、ストローで吹き広げるなどする
にじみ絵 濡らした画用紙に筆で絵の具を載せ、にじむ様子を描く
バチック
(はじき絵)
クレヨン等で絵を描き、上から絵の具を塗ると、油分が水分をはじいてクレヨン部分が目立つ
フィンガー
ペインティング
時間の経過を1枚の絵の中に表します
フロッタージュ
(こすり出し)
でこぼこした物の上に紙を置き、クレヨン等でこすって模様を浮き出させる
マーブリング
(墨流し)
水面に墨汁や水溶性絵の具を浮かべ、紙をかぶせて模様を写しとる

42-2造形表現で使用される材料

保育現場でよく使うものから、試験に出やすい多様な材料までを整理しましょう。

筆記用具

クレヨン 顔料と木ロウが主原料で、パスより硬いため線画に向いています
パス 顔料と油脂が主原料で、油分が多く軟らかいため面塗りや重ね塗りに適しています
パステル 色のついた粉を接着剤で固めたもので、ソフト・ハードタイプやオイルパステルがあります
絵の具
  • 水彩絵の具:顔料とアラビアガム水溶液が主成分。透明水彩は透明度が高く薄塗りします
  • ポスターカラー:不透明水彩の一種。マットな塗り重ねができ、デザインに適しています
  • ガッシュ:不透明水彩の一種。厚塗りします
  • 油絵の具:顔料に植物油を混ぜたもの。乾燥時間が長いです
  • アクリル絵の具:顔料にアクリル樹脂を混ぜたもの。乾燥が早く、重ね塗りも可能です
色鉛筆 細かい部分を塗るのに適しています。
幼児には芯が軟らかいものを選びます
フェルトペン 芯がフェルトでできており、油性・水性など様々な種類があります

粘土

油粘土 可塑性(力を加えると変化する性質)があり、何度でもつくりなおせます
土(泥)粘土 可塑性があり、乾燥させて800℃程度で素焼きしたものをテラコッタといいます。
粘土同士をつなぐ接着剤にはドベ(水で溶かしたもの)を使います。
紙粘土 軽いのが特徴ですが、乾くと固くなり衝撃に弱いです。
水彩絵の具で着色できます
小麦粘土 小麦と油と少量ので作成でき、柔らかいです。
いたみ防止にクエン酸、カビ防止に塩を入れ、着色には食紅を使います
陶芸粘土 素焼きの焼成温度は800℃程度です

紙等

紙のサイズ A・Bともに0が一番大きく、10が一番小さい
画用紙 四つ切(392mm×542mm)や八つ切(392mm×271mm)などがあります
ケント紙 上質紙の一種。
製図や絵画に使われ、実技試験の解答用紙にも使われるつるつるした紙
クラフト紙 丈夫な茶色の紙で、封筒や袋に使われます
鳥の子紙 和紙の一種で、版画や襖紙(ふすまがみ)に使われます
トレーシング
ペーパー
下絵を写すための薄い紙
お花紙 薄くて色が豊富。運動会などの装飾などに使われます
半紙 和紙の一種。書道に使われます
ボール紙 厚みがあり工作に使われます。
白ボール紙はケーキの箱などに使われます
模造紙 壁装飾に使われる大きな紙

版画

凸版画 版の出っ張った部分のインクを写します。
木版画やスチレン版画などがあります
凹版画 版のへこんだ部分にインクを入れます。銅版画が代表的
  • 直接法:エングレービング、メゾチント、ドライポイント
  • 間接法:アクアチント、エッチング
平版画 水と油がはじきあう原理を利用します。
リトグラフ、マーブリング、デカルコマニーなど
孔版画 穴を通り抜けるインクで印刷します。
シルクスクリーンやステンシルなど
  1. キーワードを聞いたらすぐに材料を答えられるようにしましょう💖
    可塑性 = 力を加えると変化する性質
    ポスターカラー = 不透明でマットな塗り
    ドベ = 粘土の接着剤
  2. 平版画 = 水と油のはじき合い
    孔版画(シルクスクリーン) = インクが穴を通る
    凹版画(エッチングなど) = へこみにインク
    凸版画 = 出っ張りにインク
    これで完璧ですわ🌹

42-3色彩

色彩は試験でほぼ確実に出題される重要なパートです。

色彩の基礎用語

無彩色 白・黒・灰色のこと
有彩色 白・黒・灰色以外のすべての色のこと
明度 色の明るさの度合いで、最も高いのは白、低いのは黒
色相 色合いや色味のことで、これを円形に配置したものを色相環と呼びます
補色 色相環で向かい合う色どうしの関係のこと
暖色・寒色・
中性色
暖かみのある色を暖色、寒い感じの色を寒色、どちらでもない中間を中性色といいます
彩度 色の鮮やかさの度合い
純色 濁りのない鮮やかな色
清色 純色に白または黒を混ぜた色
濁色 純色に灰色を混ぜた色
料の三原色 赤・青・黄で、混ぜると暗い色になります(減法混色)
光の三原色 赤・緑・青で、混ぜると明るい色になります(加法混色)

色の見え方と対比

明度対比 隣接する色の影響で、明るい方はより明るく、暗い方はより暗く見えます
彩度対比 隣の色が鮮やかだと自分は濁って感じ、色が鈍いと鮮やかに感じます
色相対比 隣接する色の影響で、色相が異なって見えます
補色対比 補色関係の2色を並べると、お互いの彩度が高く見えます
膨張色・
収縮色
実際より大きく見えるか、小さく見えるかの違いです
進出色・
後退色
近くに飛び出して見える(明度が高い)か、遠くに引っ込んで見える(明度が低い)かの違い

保育所保育指針

保育所保育指針の第2章「保育の内容」から、「表現の領域」に関する部分を確認しましょう。

絵画の発達に関わる人物

絵画の発達について、過去に数回出題されている著名な2人の人物です。

ローエン
フェルド
  • アメリカの美術教育学者
  • 子どもの絵の発達過程の変化の形式について、スキーマ(段階)を用いて展開しました。
  • 段階には、①自己表現の最初の段階(なぐりがきの段階)
    ②再現の最初の試み(様式化前の段階)
    ③形態概念の成立(様式化の段階)
    ④写実的傾向の芽生え(ギャング・エイジ)
    ⑤擬似写実主義の段階(推理の時期)
    ⑥決定の時期(青年期の危機)があります。
ケロッグ
  • アメリカの児童描画の研究家
  • 子どもの描く初期のスクリブルを分類した人物です
  • 「基本的スクリブルとは、2歳あるいはそれ以下の幼児のつくる20種類のかたちのこと」と示しました