43-1言語の発達

子どもは年齢とともに、世界をどう認識しているかを絵に表すようになります。
1歳から9歳ごろまでの発達は、大きく4つの時期に分けられます。

時期 年齢 内容
喃語期 3か月
すぎ〜
クーイング(のどの奥を鳴らす)から始まり、6か月ごろに喃語、11か月ごろに一語文を発する子もいます
片言期 1歳〜
1歳半
一語文を話すようになります
命名期 1歳半〜
2歳
二語文が始まり、物に名前があることを理解します。
おうむがえしもこの時期の特徴です
羅列期 2歳〜
2歳半
感嘆文や疑問文が現れ、知っている言葉を並べるようになります
模倣期 2歳半〜
3歳
大人の言葉をまねするようになり、質問が増えます。
言葉で自分の意思を伝えようとします
成熟期 3歳〜
4歳
話し言葉が一応出来上がり、自分の名前が言えるようになります
多弁期 4歳〜 生活空間が広がり、経験が増えることでよくしゃべるようになります。
文字に興味を持つようになります
適応期 5歳〜 自己中心的な話から、対話ができるようになります

言葉を話し始めるか

5か月〜 ごくわずか(0.8%)の子が話し始めます
10か月〜11か月未満 約1割(10.4%)に増えます
1歳0か月〜1か月未満 約3分の1(36.5%)の子が話し始めます
1歳1か月〜2か月未満 ここで一気に増えて半分以上51.3%になります
1歳6か月〜7か月未満 ほとんどの子91.1%が言葉を話すようになります
1歳10か月〜11か月未満 ほぼ全員(98.7%)が話している状態です
「乳幼児身体発育調査(令和5年)」では、約半数の子どもが生後1歳1〜2か月未満に初語を発しているというデータが出ています。
51.3%が話し始めるのが1歳1〜2か月ごろ
90%以上が単語を発するのが1歳6〜7か月ごろです。

語彙数の目安

2歳 200〜300語 〜3歳 1,000語程度
〜4歳 1,500〜17,00語程度 〜5歳 2,000〜2,500語程度
〜6歳 2,500語〜 -
  1. キーワードを聞いたらすぐに材料を答えられるようにしましょう💖
    羅列期 = 「感嘆文・疑問文・並べる」
    多弁期 = 「文字に興味・経験が増える」

43-2言語指導のポイント

保育では、遊びの中で言葉を教えていきます。
年齢によって喜ぶ遊びや指導の仕方が変わります。

年齢別の言葉遊び

乳児 保育士が1対1で、赤ちゃんの反応に合わせた応答的な語りかけをすることが大切です
1〜2歳 簡単な言葉や繰り返しの言葉をたくさん使い、絵本や少人数での語り合いを楽しみます。
おままごとで「どうぞ」などのやり取りも始まります
2〜3歳 引き続き繰り返しの言葉を楽しみつつ、簡単ななぞなぞも喜ぶようになります
〜6歳 お話を聞かせるときは声色やジェスチャーを工夫します。
読んだ後に感想を言い合ったり、本格的なごっこ遊びや劇遊びを楽しみます。

言語の教材と指導

絵本 年齢に合わせ、水平に持って全員に見えるように意識します
紙芝居 子どもの反応を見ながら、紙の抜き方をお話に合わせて変化させます
ペープサート 紙の人形劇です。
両面に絵を描き、割りばしなどにくっつけて、裏表の動きで見せます
パネルシアター 毛羽立った布のパネルに、不織布で作った人形を貼ったりはがしたりして見せます
エプロンシアター パネルの代わりにエプロンを使い、ポケットから次々と登場人物が出てくるのを楽しみます
素話 道具を使わず、保育士の話だけで進行します
かるた 季節感を意識し、手作りの大型かるたを使うのも良いです
遊び歌 手遊びやリズム遊びでコミュニケーションをとります
劇遊び 配役を決めるときは子どもの意見を取り入れつつ、どの役も魅力的だと説明します
しりとり どこでも楽しめ、語彙力を高める練習になります

43-3代表的な言語作品

読み聞かせる作品は、子どもの年齢に合わせて選ぶことが大切です。

言語作品① 〈日本の作者〉

安西水丸
みずまる
「がたん ごとん がたん ごとん」
「りんごりんごりんごりんごりんごりんご」
かがくいひろし 「だるまさんが」「おしくら・まんじゅう」「おふとんかけたら」
かこさとし 「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」
「はははのはなし」
五味太郎 「ゆびくん」「たべたのだあれ」「きんぎょがにげた」
「ぽぽぽぽぽ」「さる・るるる」
せなけいこ 「ねないこだれだ」「もじゃもじゃ」「いやだいやだ」
「あーんあん」「めがねうさぎ」「おばけのてんぷら」
「ふうせんねこ」
谷川俊太郎 「ひとあし ひとあし」「もこもこもこ」「これはのみのぴこ」
長新太
(ちょうしんた)
「キャベツくん」「ぼくのくれよん」「ころころにゃーん」
「へんてこ へんてこ」「おなら」
なかえよしを ねずみくんシリーズ(「ねずみくんのチョッキ」など)
中川李枝子 「ぐりとぐら」「いやいやえん」「そらいろのたね」
新美南吉 「ごんぎつね」「手ぶくろを買いに」「あかいろうそく」
にしまきかやこ 「わたしのワンピース」「まこちゃんのおたんじょうび」
林明子 「おつきさまこんばんは」「はじめてのおつかい」
「こんとあき」「とんことり」
ふるたたるひ
(古田足日)
「ロボット・カミイ」「大きい1年生と小さな2年生」
「おしいれのぼうけん」(たばたせいいち共著)

言語作品② 〈外国の作者〉

エリック・
カール
「はらぺこあおむし」「パパ、お月さまとって!」
「できるかな あたまからつまさきまで」
ディック・
ブルーナ
「ちいさなうさこちゃん」(ミッフィーシリーズ)
「ふしぎなたまご」「ちいさなさかな」
モーリス・
センダック
「かいじゅうたちのいるところ」「ふふふんへへへんぽん!」
「まよなかのだいどころ」
ルース・スタイルス・ガネット 「エルマーのぼうけん」
レオ・レオニ 「ひとあし ひとあし」「あおくんときいろちゃん」
「スイミー」「フレデリック」「じぶんだけのいろ」

言語作品③ 〈昔話〉

ロシア民話 「おおきなかぶ」「イワンのばか」「かえるの王女」
ノルウェー民話 「3びきのやぎのがらがらどん」
モンゴル民話 「スーホの白い馬」「いしになったかりゅうど」
ウクライナ民話 「てぶくろ」
イギリス民話 「3びきのこぶた」「ジャックと豆の木」
日本民話 「ももたろう」「おむすびころりん」「ふるやのもり」
「わらしべ長者」「こぶとりじいさん」「花咲じじい」「つるの恩返し」
イソップ童話 「ウサギとカメ」「ありとはと」「すっぱいぶどう」
「王様の耳はロバの耳」「田舎のねずみと町のねずみ」
グリム童話 「ヘンゼルとグレーテル」「赤ずきん」「シンデレラ」
「ブレーメンの音楽隊」「いばら姫」「おおかみと7ひきのこやぎ」
アンデルセン
童話
「赤い靴」「人魚姫」「裸の王様」「マッチ売りの少女」
「みにくいアヒルの子」「雪の女王」

保育所保育指針

この分野では、保育所保育指針の第2章からも出題されます。
特に、第1章「保育原理」の3「保育所保育指針」の「3 第2章 保育の内容」のうち、「言葉の領域」の内容を確認しておいてください。

保育所保育指針の第2章「保育の内容」では下記が重要です。

  1. 「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」
  2. 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」

その中でも「言葉」の「ねらい」と「内容」について出題される可能性があります。
出題の形式は、造形の際に紹介した「表現」の部分と同じです。
具体的には、以下の2つのパターンです。

  1. 文章の語句の穴埋め問題
  2. 文章から年齢区分を推察する問題
bについては、年齢区分における表記の違いをチェックしておくといいですね。