1-1保育制度

保育所

日本の保育所は1890年(明治23)に赤沢鍾美(あつとみ)、仲子夫妻が創立した新潟静修学校を創立された託児所。

国の制度の保育所は1947年(昭和22)に制定された「児童福祉法」に保育所が児童福祉施設の1つとして規定したのが始まり。

2014年(平成26)の改正法で、保育を必要とする児童に改められた。

保育所は「児童福祉法」「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」などによって規定されている。

具体的な内容は、保育所保育指針によって、定められている。

保育所を利用する要件が「保育にかける児童」から「保育を必要とする児童に変わった」

幼稚園

1878年(明治5)に京都で柳池小学校附設幼稚遊技場と言われてるが閉鎖し、
その後1876年(明治9)に官立幼稚園である東京女子師範学校附属幼稚園が創立された。

1947年(昭和22)に「学校教育法」が制定され、幼稚園と学校が規定されたことで現在の幼稚園に整った。

幼稚園は「学校教育法」や「学校教育法施工規則」によって規定され「幼稚園教育要領」に沿っている。

幼保連携型認定こども園

2006年(平成18)に制定された「就学前の子どもに関する教育、保育などの総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)」により、
初めて法律に規定された教育と保育を一体的に行う施設です。

幼保連携型認定こども園は比較的新しく、国は子ども園を増やしたいと考えているが、まだ多くはない。

1-2子ども・子育て支援制度の施工

保育制度は2015年(平成27)に施工された子ども・子育て新支援制度に基づき、待機児童解消と質の向上を目指している。

3〜5歳児の保育料は原則無償化

  • 認定子ども園
  • 保育所
  • 地域型保育(小規模保育)

子ども・子育て支援制度制定

2010年(平成22)に内閣府において、子ども・子育て新システム検討会議が開催。
2012年(平成24)に子ども・子育て関連3法が成立。
2015年(平成27)に子ども・子育て支援新制度が施工。

親の就労要件を問わない「こども誰でも通園制度」が2026年4月より全国で開始。

子ども・子育て支援制度の仕組みと給付

  • 質の高い幼児期の教育・保育を総合的に提供すること
  • 保育に量的拡大・確保(受け入れ人数を増やすこと)
  • 地域の子ども・子育て支援を充実させること

この制度の主体は市町村です(制度の一部は、国で実施主体が企業となる)

また2023年(令和5)4月から子ども家庭庁が制度の管轄となる。
さらに内閣総理大臣、関係各大臣または長官の諮問に応じるために、国は子ども家庭庁にこども家庭審議会を設置。

給付の種類

お金だけでなく、子どものための教育・保育給付(サービス)のこと。

支援の種類 概要
市町村 子ども・子育て支援給付 ①子どものための現金給付
児童手当
②妊婦のための支援給付
妊婦支援給付金
③子どものための教育・保育給付
施設型給付・地域型保育給付
④子育てのための施設等利用給付
施設等利用給付
地域子ども・子育て支援事業 地域の実情に応じた子育て支援に関わる事業と健康診査
仕事・子育て両立支援事業 仕事と子育ての両立支援
①企業主導型保育事業
②企業主導型ベビーシッター利用者支援事業
③中小企業子ども・子育て支援環境整備事業

1-3子ども・子育て支援制度の具体的施策

子どものための現金給付

もともと「児童手当法」によって実施されていた新制度。
実施主体は市町村、 2024年(令和6)10月から制度が改正。

  • 所得制限の撤廃
  • 支給期間の延長(高校生年代18歳の誕生日以後の最初の3/31まで)
  • 第3子以降の支給額の3万円への増額
  • 支払い回数の変更(偶数月の年6回)

妊婦のための支援給付

2025年(令和7)4月から妊婦のための支援給付が創設。

項目 概要
実施主体 市町村(特別区含む)
支給対象者 日本国内に住所を有する妊婦
支給に必要な手続きと支給金額 ①妊婦は申請を行い、妊婦給付認定を受ける
5万円が支給される
②妊婦給付認定を受けた者は、妊娠しているこどもの人数等の届出を行う(出産後)
妊娠しているこどもの人数 × 5万円が支給される

妊娠から切れ目のない支援を行う観点から妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)と「児童福祉法」に基づく妊婦等包括相談支援事業等の支援を効果的に組み合わせ、妊婦などの身体的、精神的ケア及び経済的支援を実施している。

子どものための教育・保育給付(施設型給付)

施設型給付に位置付けられてる保育所、幼稚園、認定こども園実施主体は市町村
※給付とは(子どもが施設を利用する)サービスのことである

保育所、幼稚園、認定こども園の3種を利用できる児童は0歳から小学校就学前までで、施設の種類によって対象児童が定められている。

種類 特徴 対象
年齢
認定区分
保育所 就労などのため、家庭で保育のできない保護者に代わって保育する施設 0〜2歳 3号認定(保育認定)
3〜5歳 2号認定(保育認定)
幼稚園 小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育を行う学校 1号認定(教育標準時間認定)
認定
こども園
幼稚園と保育所の機能や特長をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設 0〜2歳 3号認定(保育認定)
3〜5歳 〈保育所型〉〈幼保連携型〉
2号認定(保育認定)
〈幼稚園型〉
1号認定(教育標準時間認定)

施設の利用を希望する場合は、住居である市町村利用のための認定を受ける必要がある。

保育所などで保育を希望する場合の保育認定(2号・3号認定)にあたっては保育を必要とする要件を市町村が判断の上利用が認められる。

幼稚園の1号を希望する際は、入園希望する幼稚園に保護者が直接利用希望申請を行う。

認定こども園の4つの区分

区分 概要
幼保連携型 幼稚園的機能保育所的機能の両方の機能をあわせ持った単一の施設として、認定こども園の機能を果たすタイプ
幼稚園型 認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園の機能を果たすタイプ
保育所型 認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園の機能を果たすタイプ
地方裁量型 幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ

幼保連携認定こども園は「児童福祉法」において児童福祉施設に規定されている。
ここで実施される教育は「教育基本法」に規定されている。
教育基本法第6条第1項に規定する法律に定める学校において行われる教育を言う。
この条文は「児童福祉法」第39条の2つの幼保連携認定こども園の「目的」の部分にあたる。

子どものための教育・保育給付(地域型保育給付)

地域型保育給付に位置付けられてるのは家庭的保育、小規模保育、事業内保育、居宅訪問型保育で主体は市町村である。

この給付は特に待機児童の多い0〜2歳を対象として、3歳以降は施設型給付に移行する。

種類 特徴 対象年齢 認定
区分
家庭的保育 家庭的な雰囲気のもとで少人数(定員5人以下)を対象とした保育 0〜2歳
(満3歳以上の児童も状況により対象となる)
3号認定
(保育認定)
小規模保育 少人数(定員6〜19人)を対象とした保育
事業所内保育 会社の事業所の保育施設などで、従業員の子どもと地域の子どもを対象とした保育
居宅訪問型保育 子どもの居宅で個別に行う保育

子育てための施設等利用給付

2019年(令和1)10月「子ども・子育て支援法」の一部改正により、新たに子育てのための施設等利用給付が創設。
この改正は「新しい経済パッケージ(2017)」及び「骨太方針2018」の施策を踏まえた、幼児教育・保育の無償化によるもの。

対象施設・事業 対象児童
  • 認定こども園
    (施設型給付が対象外のとこ)
  • 幼稚園
    (制度未移行の施設)
  • 特別支援幼稚部
  • 認可外保育施設
    (国の基準を満たすもの)
  • 預かり保育事業
  • 一時預かり事業
  • 病児保育事業
  • 子育て支援活動支援事業
① 3〜5歳までの小学校就学前の子ども
② 0〜2歳の住民税非課税世帯で、保育の必要がある子ども

地域子ども・子育て支援事業

すべての子育ての家庭を対象にした市町村の事業

子育て両立支援事業

2016年(平成28)4月から仕事・子育両立支援事業が開始。
主に企業が従業員の仕事と子育ての両立を助けるための環境を整える目的とした国(子ども家庭庁や厚生労働省)による支援策です。

仕事と子育ての両立を図るため下記の3つの事業

支援事業名 環境 概要
企業主導型保育事業
保育の受け皿確保
子ども家庭庁 事業所内保育を主軸とした企業主導型の多様な就労形態に対応した保育サービスの拡大を支援する
企業主導型ベビーシッター利用者支援事業 繁忙期の残業や夜勤等の多様な働き方をしている労働者が、低廉な価格でベビーシッター派遣サービスを利用できるよう支援する
中小企業子ども・子育て支援環境設備事業 厚生労働省 くるみん認定を活用し、育児休業等取得に積極的に取り組む中小企業を支援する。
くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでいる企業を認定する厚生労働大臣の認定のこと
出生後休業支援給付
2025年(令和7)4月から
雇用保険の育児休業給付金に上乗せして支給される制度
両親ともに育児休業を取得し、初期の育児に参加することを促進し、実質的な手取りを10割相当に引き上げることを目的
育児時短就業支援給付 雇用保険による新しい給付金制度。(2歳未満の子ども)
支給: 基礎支払い日数が12ヶ月以上あること。時短勤務中に支払われた賃金額の10%が支給さる。

1-4保育所・幼稚園・幼保連携型認定こども園の基準

保育所・幼稚園・幼保連携型認定こども園には、職員配置、人数、保育時間等の基準が設けられています。

項目 保育所 幼稚園 幼保連携型認定こども園
主な職員 保育士、嘱託医、調理員 園長、教頭、教諭 主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭等調理員
乳児(1歳未満) 3人につき1人以上 3人につき1人以上
1歳以上3歳未満 6人につき1人以上 6人につき1人以上
3歳以上4歳未満 15人につき1人以上 1学級につき専任教諭1人
(1学級は原則35人以下)
15人につき1人以上
4歳以上 25人につき1人以上
最低配置人数 常時2人以上 常時2人以上
標準時間 1日8時間原則 1日4時間標準 教育:4時間
保育:8時間原則
教育・保育期間 毎学年39週以上 毎学年39週以上

1-5待機児童問題

待機児童の推移

2014年頃までは減少傾向だったが、2015年の子ども、子育て支援制度の施工を受けて増加に転じ、2017年をピークに(約2.6万人)以降は減少している。
2025年4月現在で7年連続で減少。

待機児童数の年齢割合

3歳未満児が90%以上、特に1歳から2歳児の待機児童が約60%

  • 1歳になると、母親の育児休業が終了し、保育利用者の希望が増える
  • 保育所における1歳児クラスの空きが少ない

待機児童数の地域差

人気のある首都圏で保育施設が不足し、全体の60%を占め、戦国の問題ではなく、都市部で発生している。

  • 東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都
  • 施設を増やしても、働く保育士が足りない
  • 共働き・核家族の増加、保育サービスを利用する家庭の増加

保育を必要とする児童

保育を必要とする児童とは、保護者が就労、病気、介護、求職活動などの理由で家庭で保育できない(乳幼児)を指し、認定こども園や保育所(認可)の利用要件を満たす子どもです。
一般に就労は月60-64時間以上が目安で、妊娠・出産、災害復旧なども対象。
利用には市区町村による保育の必要性認定(2号・3号)が必要

保育所保育指針

保育所における保育の内容や運営の基本を示す、厚生労働大臣による告示

  • 養護と教育の一体化: 子どもの生命の保持や情緒の安定を図る「養護」と、健やかな成長を助ける「教育」を一体的に行う
  • 子どもの最善の利益: 子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す基礎を培うことを目的

こども誰でも通園制度

親の就労要件を問わず、0歳6ヶ月〜3歳未満の未就園児が保育所等の集団生活を月10時間まで利用できる制度

  • 対象者: 0歳6ヶ月〜満3歳未満の「保育所等に通っていない」子ども
  • 利用上限: 原則として子ども1人につき月10時間まで
  • 就労要件: 不問。親の就労状況にかかわらず利用可能
  • 目的: 集団生活での経験を通じた子どもの成長と、在宅子育て家庭の負担軽減
  • 実施施設: 保育所、認定こども園、幼稚園、小規模保育事業など
  • 利用料: 1時間300円程度を目安に設定
  • 利用方法: 市区町村への申請や、希望する施設での事前面談が必要

こども家庭庁

全てのこどもや若者が幸せに暮らせる「こどもまんなか社会」の実現を目指し、2023年4月に創設された内閣府の外局。
これまで複数の省庁に分かれていた子どもに関連する政策の司令塔として、年齢による切れ目のない支援を行っています。

  • 子育て支援: 児童手当の支給や、妊娠・出産・育児のトータルサポート。
  • 困難を抱える子どもへの支援: 児童虐待対策、ひとり親家庭の支援、ヤングケアラーや障害児へのサポート。
  • こども・若者の意見反映: 政策決定の過程に子どもたちの意見を取り入れる仕組みづくり。
  • 安全の確保: こども性暴力防止法(日本版DBS)の推進など