10-1児童福祉法

児童福祉法とは、児童が良好な環境において生まれて、心身ともに健やかに育成されるよう、保育、母子保護、児童虐待防止対策などを含むすべての児童福祉を支援する法律。

第1条:子どもの権利

すべての児童は「児童の権利に関する条約」の精神にのっ取り、適切に養育される権利を持っています。
また生活を保障されること、愛され、保護されることも大切です。
心身ともに健やかな成長、発達し、将来は自立できるように、みんなと同じを福祉を受け保障される権利を有している。

第2条-1:みんなの責任

すべての国民は、子どもが良好な環境で生まれ、育つように努めなければなりません。
社会のあらゆる場面で子どもの年齢・発達に合わせて対応することが大切です。
また、子どもの意見を尊重し、最善の利益を優先して考慮し、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。

第2条-2:親の責任

子どもの保護者は、子どもの心身ともに健やかに育てることについて第一義的責任を負う必要がある

第2条-3:国・自治体の責任

国及び地方公共団体は、子どもの保護者とともに、子どもの心身共に健やかに育成する責任を負う。

第3条-2:家庭での養育と支援

国の自治体は、子どもが家庭で穏やかに養育されるよう保護者を支援しなければならない。
ただし、子どもの心身の状態や置かれている環境を勘案(よく考えて考慮)した結果、家庭で養育することが困難だったり、適当でない場合はどうするか。
その時は、家庭と同様の養育環境で、継続的に育てられるようします。
それも難しい場合は、出来る限り良好な家庭環境で養育されるよう必要な措置を対策しなければなりません。

第7条:児童福祉施設の種類

この法律で言う児童福祉施設とは、多くの施設があります。
助産施設、乳児院、母子生活施設、保育所、こども園...里親支援センターなども含まれます。

第18条-4:保育士とは?

保育士とは、保育士登録を受けた人のことです。
専門的知識及び技術を持って、子どもの保育をするだけでなく、その保護者に対しても保育に関する指導を行うのが仕事です。

第18条-5:保育士になれない人(欠格事由)

以下の人は、保育士としての登録はできません。

  • 心身の故障により、保育士の業務を適当に行うことができないもの
  • 金型や登録取り消しから3年経っていない人
  • 禁錮以上の刑に処せられた人など

第18条-18:登録の手続き

保育士になるには、保育士登録簿に登録が必要です。
保育士登録簿は、都道府県に備える県知事は、保育士の登録をした時は申請者に第一項の保育士登録証を交付する。

第18条-20.4:データベースの整備と活用

国は子どもへの性暴力などを行った保育士の情報をまとめたデータベースを整備することとなっている。
具体的には児童生徒性暴力などを行ったことにより、保育士の登録を取り消されたもの等の情報がデータベースに記録されます。

第18条-21:信用の維持

保育士は保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。

保育士は、仕事で知り得た人の秘密を正当な理由なく、漏らしてはいけません。
保育士でなくなった後もずっと守り続けるもの。

保育士でない人は保育士という名称を使ってはいけない。

10-2子ども基本法

2021年12月の閣議決定により「こども家庭庁」が成立しました。
この法律では、常に子どもの最善の利益を第一に考えています。
子どもに関する取り組みをわが国社会の真ん中に据えていく「こどもまんなか社会」を目指しています。
子ども視点に立って、あらゆる環境を視野に入れ、子どもの権利を保障します。
子どもを誰1人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることが決まりました。
その上で「子ども基本法」を制定し、それぞれ2023年4月に施行されました。

第1条:目的

この法律は「日本国憲法」や「児童の権利に関する条約」の精神に基づいています。
次代の社会を担うすべての子ども生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長できることを目指します。
たとえ心身の状況や、置かれている環境が違っても権利の擁護が図られ将来にわたって幸せな生活を送ることができる社会を実現しなければなりません。
そのために社会全体として「こども施策」に取り組み、基本理念を定め「こども政策推進会議」を設置することなどにより、こども施策を総合的に推進することを目的としています。

第2条:定義

この法律において、「こども」とは心身の発達の過程にあるもののことをいいます。

この法律の「こども施策」には、主に3つの柱があります。

  • 切れ目ない支援:赤ちゃんから大人になるまでの段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通して、健やかな成長に対する支援を行います。
  • ライフステージに応じた支援:結婚、妊娠、出産、育児などそれぞれの段階に合わせたサポートをします。
  • 環境の整備:家庭における育てやすさや子どもを取り巻く環境を整えます。

第3条:基本理念

すべての子どもは個人として尊重されています。
基本的人権が保障され差別が受ける事はないようします。
健やかな成長と自立として、教育基本法の精神に則り教育を受ける機会が等しく与えられます。

  • 適切に養育されること
  • 生活を保障されること
  • 愛され保護されること
  • 健やかな成長、発達、自立が図られること

子どもの年齢及び発達の程度に応じて、自分に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること。
そのうえで、子どもの意見が尊重され、どのような場面においても、常に子どもの最善の利益が優先して考慮される社会を目指さなければなりません。

子どもの養育は、家庭を基本とします。
父母その他の保護者第一義的責任を持つと言う認識の下で、国などは十分な支援を行います。
家庭での養育が難しい子には、出来る限り家庭と同様の養育環境を確保し、子どもが心身ともに健やかに育成されるようにすること。

10-3全国保育士会倫理綱領

「全国保育士会倫理綱領(ぜんこくほいくしかいりんりこうりょう)」とは、全国保育士会が2003年に策定したもので、保育士としての行動の規範を示す内容となっています。

私たちは、子どもが現在(いま)を幸せに生活し、未来(あす)を生きる力を育てる保育の仕事に誇りと責任を持ちます。
自ら人間性と専門性の向上に努め、一人ひとりの子どもを心から尊重し、以下の原則に基づき行動することを誓います。

  • 私たちは子どもの育ちを支えます。
  • 私たちは保護者の子育てを支えます。
  • 私たちは、子どもと子育てに優しい社会を作ります。

子どもの最善の利益の尊重と発達保障

一人ひとりの子どもの最善の利益を第一に考え、その福祉を積極的に増進します。
養護と教育が一体となった保育を通して、子どもが心身ともに健康で安全に、情緒の安定した生活ができる環境を用意し、その健やかな育ちを支えます。

保護者・地域との協力とプライバシー保護

保護者の意向を受け止め、より良い協力関係を築きながら子育てを支えます。
また、地域の人々や関係機関と連携し、地域全体で子どもを育てる環境づくりに努めるとともに、保育を通して知りえたプライバシーや秘密を厳守します。

チームワークと自己評価

職場におけるチームワークや、関係する他の専門機関との連携を大切にします。
また、常に子どもの視点に立って、自己評価を行い、保育の質の向上を図ります。

地域の子育て支援と利用者の代弁

地域の人々や関係機関とともに、地域の子育て支援に努め、地域で子どもを育てる環境作りに努めます。
また、子どもや保護者のニーズを受け止め、その立場に立って取れらを代弁(アドボカシー)します。

専門職としての責務

研修や自己研鑽を通して、常に自ら人間性と専門性の向上に努め、専門職としての責務を果たします。

10-4児童憲章

「児童憲章」とは、1951年5月5日のこどもの日に制定された児童の権利宣言です。
日本国憲法の精神に従い、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福を図るために定められました。

児童の尊厳:3つの柱

  • 児童は人として尊ばれる
  • 児童は社会の一員として、もんぜられる
  • 児童は良い環境の中で育てられる

すこやかな育ちと社会の責任:12箇条の重要ポイント

  1. すべての児童は、心身ともに健やかに生まれ育てられ、その生活を保障される。
  2. 家庭で正しい愛情と知識と技術を持って育てられ、家庭に恵まれない場合には、これに変わる環境が与えられる。
  3. 適当な栄養と住居と被服が与えられ、疾病と災害から守られる。
  4. 個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすよう導かれる。
  5. 自然を愛し、科学と芸術を尊ぶように導かれ、道徳的心情が培われる。
  6. 就学の道を書保され、十分な教育施設を用意される。
  7. 職業指導を受ける機会を与えられる。
  8. 労働において発育が阻害されず、教育の機会を失わず十分に保護される。
  9. 良い遊び場と文化財を用意され、悪い環境から守られる。
  10. 虐待・酷使・放任から守られ、過ちを犯した児童は適切に保護指導される。
  11. 身体や精神に不自由がある場合には、適切な治療と教育と保護が与えられる。
  12. 愛と誠によって結ばれ、良い国民としての人類の平和と文化に貢献するよう導かれる。

10-5児童の権利に関する条約

「児童の権利に関する条約」とは、1989年に国連総会で採択された、世界中の子どもの権利を守るための条約です。
この条約では、児童は権利の主体として扱われており、単に守られるだけの存在ではなく、自ら権利を持つ存在とされています。 日本は1994年に批准し、国内でも効力を発揮しています。

4つの原則:「こども基本法」

  1. 差別の禁止:国籍、性、意見、障がいなど、どんな理由でも差別されず、すべての権利が保障されます。
  2. 子どもの最善の利益:子どもに関することが決められる時は「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。
  3. 生命、生存及び発達に関する権利:すべての命が守られ、医療、教育、生活支援などを受け、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できることが保障されます。
  4. 子どもの意見の尊重:自分に関係のある事柄について「意見を表明する権利」や「表現の自由についての権利を持ち、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

条約が規定する代表的な権利

  • 生命に対する固有の権利と生存と発達の確保(第6条)
  • 家族から分離されない権利(第9条)
  • 児童の養育および発達について父母が共同の責任を有する(第18条)
  • 教育を受ける権利(第28条)