11-0WHO(世界保健機関)憲章の「健康の定義」

健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない。

つまり、健康とは肉体的に病気をしていないことではなく、精神的にも社会的には健康であると言うことです。
これを念頭において、子供の成長を見守る知識を深めていきましょう。

この「肉体的・精神的・社会的」という3つの要素は、試験でも本当によくセットで問われますわ💖
「単に病気ではないこと」というひっかけ問題に注意ですわね。

11-1体の発育・発達

子どもの成長を客観的な数値で観察することは、健康状態を確認するために不可欠です。
ただし、成長には個人差や男女差があることを常に念頭に置く必要があります。
体の発達には、発達の下記3つがあります。

  • 頭から脚へ
  • 体の中心部から末端部へ
  • 全体運動から細かい運動へ

新生児期から思春期にかけての劇的な変化を、時期ごとに数値を比較しながら把握していくのが、このテーマを攻略するコツです

身長

子供の身長の発育には、時期によって急激に伸びる発育急進期があります。

時期 年齢(目安) 身長の伸び(出生時を基準)
新生児期 出生時 50cm
乳幼児期 1歳 出生時の約1.5倍
(第一発育急進期) 4歳 出生時の約2倍
学童期・思春期 12歳 出生時の約3倍
(第二発育急進期) 思春期 急激に成長し、
ほぼ成人と同じサイズになる
身長の計測方法
  • 2歳未満児:仰臥位(ぎょうがい)で計測。頭頂点を固定板につけ、足の裏が台板と垂直な平面をなすようにする
  • 2歳以上児:立位(りつい)で計測。顎はひき、眼は水平の正面を見るようにする
  • 1mm単位まで計測する

「2歳」の境界線を目立たせることですわ💖
2歳未満=寝たまま(仰臥位)」:「2歳以上=立ったまま(立位)」

11-2体重

子体重は子どもの栄養状態を示す大切な指標です。

生理的体重減少

出生直後、一時的に体重が減る現象のこと。

  • 原因:排泄量や皮膚からの水分蒸発が、飲む量を上回るため。
  • 目安:生後3〜4日後に、出生時の5〜10%程度減少する。
  • 回復:授乳が順調になれば、生後7〜10日で元の体重に戻る。

成長による体型の変化

  • 乳児期:体重増加の比率が特に大きく、まるまるとした体型。
  • 幼児期:体重より身長の増加の比率が上がり、ほっそりとした体型へ。
年齢 体重の伸び
新生児期 出生時 3,000g
乳幼児期
(第一発育急進期)
3ヶ月 出生時の約2倍
1歳 出生時の約3倍
2歳 出生時の約4倍
4歳 出生時の約5倍
学童期・思春期
(第二発育急進期)
ゆっくり成長
10〜12歳頃は男児より女児が大きい傾向
体重の計測方法
  • 事前準備:乳児は授乳直後を避けて計測する。
    幼児はあらかじめ排便・排尿を済ませておく。
  • 姿勢の使い分け
    2歳未満:仰向けか座位(かご等にのせる)。
    おむつや布の重さは差し引く。
    2歳以上:台秤に正しく立たせて(立位)計測する。
  • 計測単位:少なくとも10g単位 まで計測する。

肥満・やせの評価指標

カウプ指数:乳幼児
  • 14以下:やせ
  • 15〜18:標準
  • 19以上:肥満
生後3か月未満の評価には使いません
ローレル指数:学童期(小学生)以降
  • 100以下:やせすぎ
  • 145程度:標準
  • 160以上:肥満

11-3頭囲・胸囲と大泉門の発育

赤ちゃんの頭と胸の成長バランス、そして頭にある「すき間」の不思議について学びましょう。

頭囲・胸囲のバランス

出生時 頭囲のほうが大きく、胸囲より約2cmほど上回っています。
逆転の時期 生後2か月頃に、頭囲と胸囲はほぼ同じ大きさ(同等サイズ)になります。
その後 胸囲が頭囲を追い越し、どんどん成長していきます。
1歳:頭囲45-46cm/胸囲44-47cm
4歳:頭囲50cm/胸囲50-54cm

大泉門・小泉門

赤ちゃんの頭頂部付近にある、骨が閉じていない柔らかい部分のことです

役割 出産時に産道を通りやすくするため、頭蓋骨が重なり合えるようになっています。
小泉門 出生後すぐに閉じます
大泉門 1歳半頃に閉じるのが目安です。
大泉門の異常
  • 閉じない(大きすぎる):2歳になっても閉じない場合は、水頭症(すいとうしょう)などの疑いがあります。
  • 早く閉じすぎる:小頭症(しょうとうしょう)などの疑いがあります。
大泉門は、触るとへこんでしまいます。
大事な場所だからあまり触らないようにしなければなりません。

1.「生まれた時は頭囲が重い(大きい)」
2.「生後2か月で同等サイズ」
3.「その後は胸囲が重い(大きい)」
小泉門 = 「すぐ閉じる」:大泉門 = 「1歳半」

11-4脳の部位とはたらき

脳は部位によって役割がはっきりと分かれています。

大脳

特に「大脳」の4つのエリアの役割分担があります。

部位 主なはたらき
前頭葉 運動、神経活動、記憶、判断、言語活動、発声、随意運動など(人間らしさの司令塔)
頭頂葉 視覚・聴覚の統合、温度覚・痛覚・触覚、読み書きの機能など
後頭葉 視覚情報の処理、色や形の認識など目で見たものを理解する
側頭葉 記憶、聴覚情報の処理、言語理解(耳で聞いたものを理解する)

小脳

からだの動きを調整し、バランス(平衡感覚)を保つ。
眼球運動の調整。

間脳

脳幹の一部。視床と視床下部からなる。
視床下部は、自律神経や内分泌の中枢として、体温調節やホルモン分泌をコントロールする。

脳幹

中脳、橋(きょう)、延髄(えんずい)からなる。
生命維持に不可欠な、心臓の鼓動や呼吸を司る。

11-5歯の発育

歯は胎内にいるとき(胎生期)からすでに準備が始まっています
乳歯から永久歯への生え変わり、20歳頃にはすべての歯が生え揃います。

歯の発育

時期 歯の状態
胎生期 乳歯の元となるものが造られている
生後6か月頃 乳歯が生えはじめる(早い子の場合)
1歳頃 乳歯が上下で8本生える
3歳頃 乳歯が20本生えそろう
6歳頃 乳歯が抜けはじめ、永久歯が生えはじめる
20歳頃 永久歯が28〜32本(親知らず除く)生えそろう

11-6スキャモンの器官別発育曲線

アメリカの人類学者スキャモンが提唱した、人体各器官の発育過程を4つの型に分けた曲線です。
時期によって発育の進行度合いが異なることが特徴です。

一般型 身長・体重、肝臓・骨
生まれてから幼児期に急激に発達した後、緩やかになり、また思春期に急激に発達します。
神経型 脳、粗大運動、微細運動、リズム感
5歳頃にはすでに80%に達します。「脳の発達はとても早い」
リンパ型 扁桃腺、リンパ節
免疫などをつかさどり、思春期頃にピークとなってそこから低下していきます。
生殖型 生殖器、第二性徴
第二性徴期の思春期に急激に発達します。

4つの型は同じ時期に発達しない
どの時期に発達するかを覚えておきましょう💖