13-1感染症以外の子どもの疾病

新生児の疾患には、胎内での母親からの感染、出産時の事故、出生後の母乳を介した感染などがあります。

疾病・障害 概要
分娩損傷 産瘤 分娩時、産道通過により頭部先端にうっ血と浮腫ができるもの
頭血腫 吸引分娩などが原因で、頭蓋骨と骨膜の間にできる血腫
呼吸障害 新生児仮死 出産時に羊水を飲み込み、第一呼吸が起こらず循環不全となること
黄疸 生理的黄疸 生後2〜4日に出現し、2週間程度で消失する生理的現象
母乳性黄疸 母乳により生後4〜7日から強まり、2〜3週でピーク、2〜3か月で消失する
母乳起因の
感染症
成人T細胞
白血病ATL
母乳を介してHTLV-1キャリアから感染・発症する
ヒト免疫不全
ウイルスHIV
胎内、産道、母乳を介してキャリアの母親から感染する
エイズを引き起こすことのあるウイルス感染
新生児
メレナ
ビタミンK不足により、生後2-3日の新生児に下血。消化管出血。
便に血液が混じるためタール便(黒い便)になる
  1. 疾病名と原因の結びつけ
    「概要から疾病名」を答える形式が出題されます。
    特に産瘤と頭血腫の違いを明確にしましょう💖
  2. 期間のひっかけ注意
    生理的黄疸(2〜4日・2週間で消失)と 母乳性黄疸(4〜7日・2〜3か月で消失)の時期の数字を入れ替えたひっかけに注意が必要です。

13-2消化器

赤ちゃんの消化器疾患は「何かが詰まる」「通り道が塞がる」というイメージで覚える。

呼吸数(回/分)

年齢が低いほど代謝が盛んで活動量も多いため、呼吸数は多くなります。
そのため、1分間の呼吸数は新生児期が一番多く、成長につれて少なくなっていきます。

疾病 概要
腸管閉塞症 腸管の一部閉塞により、便が通れなくなる状態です。
乳児期に特に多いのが腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)といって、腸の中に腸が入り込んでしまう閉塞症です。
鼠径(そけい)
ヘルニア
いわゆる「脱腸」のことです。腸が足の付け根(鼠径部)にはみ出してしまうので、そのあたりが腫れるのが特徴です。
ヒルシュスプルング病 生まれつき腸を動かす神経がないため、腸がうまく動かず、腸閉塞やひどい便秘になってしまいます。

13-3循環器

心臓などの病気は、お腹の中にいる時の成長の偏り(奇形)が主な原因です。
その他に、神経のバランスが崩れて起こるものもあります。

循環器の疾病は、生まれつきのものも多く、胎児期の妊婦健診で事前に発見されることがあります。

疾病 概要
心室中隔欠損症 胎児生8週までに完成される心室中隔の発生が阻害されて穴が開いている病気です。
生まれつきの心臓病の中では、これが最も多く出現するので大切です。
ファロー四徴症 心臓に4つのセットになった異常がある病気です。
生後すぐに、酸素不足で肌が青白くなるチアノーゼが出たり、おっぱいやミルクを飲むのが難しくなったりします。
起立性調節障害 小・中学生によく見られ、朝起きられない、めまい、立ちくらみが起こります。
これは自律神経失調症の一種で、体の調節がうまくいかない状態です。
  1. 試験ではこの「原因の違い」を入れ替えて受験生を迷わせる問題が出やすいわ💖
    腸管閉塞症=腸重積症:ヒルシュスプルング病=腸閉塞
  2. 「一番多いのはどれか」という問いは試験で本当によく狙われる。
    循環器で最も多く出現するのは、心室中隔欠損症

13-4血液

血液に関する疾患には、貧血のような一般的なものから、血友病といった遺伝性のものまで含まれます。

疾病 概要
貧血 血液中の赤血球またはヘモグロビンの量が異常に減少した状態です。
鉄欠乏性貧血や造血性貧血などがあります。
血友病 出血性の疾患である先天性血液凝固障害です。
小さな怪我でも出血が止まりにくいのが特徴です。
  1. 「何が足りないか」を言葉とセットで覚えることですわ💖
    貧血=赤血球・ヘモグロビンが減少。

13-5泌尿器

泌尿器に関する疾病は、腎臓や尿の成分に異常があるもの、また、陰嚢などに問題が現れるものなどがあります。

疾病 概要
ネフローゼ
症候群
血液中のたんぱく成分が尿に漏れてしまうことにより、高度のたんぱく尿、低たんぱく血症、むくみ、体重増加などの症状が現れます。
尿路感染症 腎盂腎炎(じんうじんえん)・膀胱炎など。尿道から細菌が侵入して炎症を起こしている状態です。
陰嚢水腫 陰嚢に腹水がたまって膨張している状態です。

13-6神経・脳

神経・脳の疾病は、原因不明な反復性の発作が主症状であるてんかんをはじめ、脳に障害を受けたことにより起こる運動機能障害の脳性まひなどがあります。

疾病 概要
てんかん 大脳の神経細胞の過剰な活動による反復性のてんかん発作が主な症状です。
診断には脳波検査や画像診断が用いられ、抗てんかん薬を服用します。
熱性
けいれん
急な発熱時に、けいれんとともに意識消失し、眼球が上に上がりますが、数分で治まります。
生後6か月以降の乳児、幼児に生じます
脳性まひ 妊娠中から生後1か月までの間に脳に障害を受けたことにより起こる運動機能の障害です。
  1. 「発作の性質」の違いを区別することですわ💖
    てんかん=脳の過剰活動による反復性(何度も繰り返す)の発作。
    熱性けいれん=急な発熱に伴う一時的な発作(多くは数分で治まる)
    試験では、この2つが混ざって出題されやすいので、「繰り返すのがてんかん」と覚えておきましょう。

13-7代謝

代謝とは、生命を維持するためのエネルギー変換のことで、これが機能しなくなることにより疾病が発生します。
代表的なものに糖尿病があります。

疾病 概要
糖尿病 インスリン作用の低下・分泌不足により高血糖の状態となる病気です。
1型:子どもに多い
インスリン依存型とも呼ばれ、インスリンの自己注射が必要となります。
2型:成人に多い
インスリン非依存型と呼ばれ、生活習慣などが原因で発症します。
妊娠糖尿病:妊娠中に初めて発見された糖代謝異常
母体の高血圧や赤ちゃんの巨大児などの原因となります。
  1. 「1型」と「2型」の違いを明確にすることですわ💖
    1型=子どもに多い・自己注射が必要(インスリン依存型)
    2型=成人に多い・生活習慣が原因
    試験ではこの対象(子どもか成人か)を入れ替えて出題されることがあるので、しっかり区別してサイトに載せましょう

13-8小児がん

小児がんとは、15歳以下の子どもに発生する悪性腫瘍のことです。
小児がんのうち、約4割が白血病、残りが固形がんといわれる固まりを形成する「がん」となっています。

疾病 概要
白血病 血液のがんで、小児がんのうち約40%を占める最も多い疾患です。
脳腫瘍 頭蓋骨の中にできた腫瘍で、白血病に次いで多く、小児がんの約20%を占めます。
リンパ腫 リンパ節、脾臓、骨髄など、細菌やウイルスの排除などの免疫機能をつかさどるリンパ組織に発生するがんです。
  1. 「割合の順位」を正確に覚えることですわ💖
    1位:白血病(約40%)
    2位:脳腫瘍(約20%)
    試験ではこの順位やパーセンテージが入れ替わって問われる可能性

13-9その他

その他の子どもの疾病のなかでは、以下が試験でよく問われます。
特に

SIDS(乳幼児突然死症候群)

b>については注意が必要です。

疾病 概要
川崎病 4歳以下の乳幼児が罹患(りかん)しやすい病気です。
高熱、眼球結膜充血、いちご舌などの症状が現れます。
罹患後、約3%に冠動脈の動脈瘤ができることがあります。
SIDS(乳幼児突然死症候群)

それまでの健康状態および既往歴から死亡が予測できず、原因が特定されない1歳未満の児に突然の死をもたらす症候群。

  • 特徴と頻度
  • 主として睡眠中に発症する。
  • 日本での発症頻度は、出生6,000〜7,000人に1人と推定されている。
  • 生後2か月から6か月に多い。
  • 育児上のポイント(リスクを低くするために)
  • うつぶせ寝にしない
  • たばこは控える。
  • 温めすぎないよう室温、衣服、寝具を調節する。
  • 母乳育児のほうが危険因子は低い。
  1. SIDSの「3大対策」を強調:「うつぶせ寝禁止」「禁煙」「母乳育児」は、保育現場でも試験でも最重要の3点セットですわ💖
  2. 「似ている言葉」や「数字」の入れ替えを防止することですわ💖
    「o1歳未満 ⇔ x1歳以上」 「o睡眠中 ⇔ x起きている時」
    試験では「1歳以上の幼児に多い」や「授乳中に発生する」といったひっかけが出やすいので、1歳未満・睡眠中という言葉をセットで死守しましょう。

13-10アレルギー

体には、細菌・ウイルス・寄生虫などから身を守るための免疫というしくみがあります。
この免疫の働きが異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などの症状を起こしてしまう状態をアレルギーといいます。

アレルギーの特徴
特徴 概要
アレルギー
疾患とは
本来なら反応しなくてもよい無害なものに対する過剰な免疫反応のこと。
乳幼児が
かかりやすい
アレルギー
食物アレルギー / アナフィラキシー / 気管支ぜん息 / アトピー性皮膚炎 / アレルギー性結膜炎 / アレルギー性鼻炎
アレルギー疾患は全身疾患であることが特徴。
小児の場合は、複数の疾患を合併していることが多い。
アレルギー
マーチ
遺伝的にアレルギーになりやすい素質(アトピー素因)のある人が、年齢を重ねるごとにアレルギー疾患を次から次へと発症していく様子。
アトピー素因 アレルギーの原因となる要因に対してのIgE抗体を産生しやすいこと。
アレルギーの種類
種類 概要
食物
アレルギー
特定の食物を摂取した後に、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身性に生じる症状。
そのほとんどは食物に含まれるたんぱく質が原因
原因食品は、鶏卵>牛乳>小麦の順で多い。
最も多い症状は皮膚・粘膜症状
アナフィラキシー アレルギー反応により、複数の症状が同時かつ急激に出現した状態。
血圧低下や意識レベルの低下を伴う場合を特に「アナフィラキシーショック」と呼び、エピペン®などで直ちに対応しなければならない。
気管支
ぜん息
発作性にゼーゼーまたはヒューヒューという音(喘鳴)を伴う呼吸困難を繰り返す疾患。
アトピー性
皮膚炎
皮膚にかゆみのある湿疹が出たり、治ったりを繰り返す疾患。
保育所における基本的なアレルギー対応
項目 対応
生活管理
指導表
子どものアレルギー対応を適切に進めるため、保護者の依頼を受けて、医師(子どものかかりつけ医)が記入するもの。
食事の提供 原因食品の完全除去を行うことが基本。
除去食物の
解除
医師の指示のもと、保護者と保育所の間で書面申請をもって対応する。
子どもが
初めて
食べる食品
家庭で安全に食べられることを確認してから、保育所で提供を開始する。
アレルギー
食対応
できるだけ単純化し、原因食品について、"完全除去"か"解除"の両極で対応を進めるべきである。
  1. 「似ている言葉」の定義をはっきり区別することですわ💖
    アトピー性皮膚炎 = かゆみのある湿疹という「症状」のこと。
    アトピー素因 = IgE抗体を産生しやすいという「体質」のこと。
  2. 「一番多いもの」の順番を絶対にはずさないことですわ💖
    食物アレルギーの原因食品:1位 鶏卵 > 2位 牛乳 > 3位 小麦。
    最も多い症状:皮膚・粘膜症状
  3. 「病名」と「特徴的なサイン」を繋げることですわ💖
    アナフィラキシー = 同時で急激で複数な症状。
    アナフィラキシーショック = エピペン®での緊急対応。
    気管支ぜんそく = 喘鳴(ぜんめい)。

13-11発しん(発疹)

発熱などに伴い、からだに発しんが出ることがあります。
発しんが出ている時は、以下の項目をチェックしましょう。

  1. 時間とともに増えていかないか
  2. 出ている場所はどこか(どこから出始めて、どう広がったか)
  3. 発しんの形はどうなっているのか(盛り上がっているか、どんな形か)
  4. かゆがるか
  5. 痛がるか
  6. ほかの症状はないか
発しんの種類
疾病 概要
紅斑(こうはん) 盛り上がりの無い赤色のもの。血管の拡張によるもの。
紫斑(しはん) 盛り上がりの無い紫〜赤紫色のもの。皮膚内での出血によるもの。
白斑(はくはん) 盛り上がりの無い白色のもの。色素の脱失によるもの。
丘しん 5mm程度までの半球状に盛り上がったもの(ぶつぶつ)。
結節(けっせつ) 丘しんより大きく、皮膚から盛り上がったもの(しこり)。
水疱(すいほう) 水様のものを含んで盛り上がったもの(水ぶくれ)。
膿疱(のうほう) 膿(うみ)様のものを含んで盛り上がったもの。
びらん 皮膚が薄くはがれたもの(ただれ)。表面が浸潤している。
潰瘍(かいよう) びらんよりも深く皮膚が傷ついたもの。
痂皮(かひ) 膿や皮膚が乾燥して固まったもの(かさぶた)。

この項目は「言葉の定義」を正確に並べることが重要ですわ💖

  1. 「盛り上がりの有無」で分ける:
    「紅斑・紫斑・白斑」は盛り上がり無し
    「丘しん・結節・水疱・膿疱」は盛り上がり有り
  2. 「水」か「膿」か「固形」か:
    盛り上がっているものの中でも、
    中身が液体(水疱・膿疱) ー 固形(丘しん・結節)