22-1乳児期(子ども)

乳児期は、誕生から1歳の誕生日を迎えるまでの、発達が著しい時期です。

身体機能

原始反射 新生児期にみられる、外からの刺激に対して自分の意思とは関係なく(不随意)反応する反射のことですわ。
神経系の発達が未熟なために起こります。
随意運動 生後4か月以降になると、原始反射などの不随意運動から、自分の意思で体を動かす随意運動へと移行していきます。
協応動作 体の各部分が連携して1つの流れとなることです。(例:「目で見る」「腕を伸ばす」「手でつかむ」という一連の動作)

原始反射の種類

種類 内容
哺乳反射 吸啜反射 (きゅうてつ)口にふれると、乳を吸う動作をする
捕捉反射 ふれたものを唇と舌でつかまえようとする
探索反射 刺激された方向に頭や口を向けようとする
把握反射 手のひらにふれると、強く握りしめる。
別名:ダーウィン反射、手掌把握反射
匍匐反射(ほふく) うつぶせに寝かせると、はうような動きをする
バビンスキー反射 足の裏を刺激すると、指を扇のように開く
追視反射 目の前のゆっくりした動きを目で追う
緊張性頚反射 頭を一方にむけると、むけた側の手足を伸ばし、反対側は曲げる
自動歩行
(起立)反射
足を床につけると、歩くような動きをする
モロー反射 急に頭を下げたり大きな音を立てると、手足を伸ばした後、抱きつくように曲げる
  1. 試験によく出る反射ランキング1位は「モロー反射」と「バビンスキー反射」ですわ💖
    モロー反射 = 抱きつくような動き
    バビンスキー反射 = 指を扇のように開く

22-2運動機能

運動機能の発達には個人差はありますが、試験では「いつ何ができるようになるか」がよく問われます。

「令和5年乳幼児身体発育調査」の結果

この調査は10年に1度実施されるもので、試験では通過率が頻出です。
特に、ほとんどの子どもができるようになる「90%」の通過率が狙われやすいです。

できること 90%以上の通過時期
首のすわり 4〜5か月未満
ねがえり 6〜7か月未満
ひとりすわり 9〜10か月未満
はいはい 10〜11か月未満
つかまり立ち 11〜12か月未満
ひとり歩き 1歳4〜5か月未満

乳幼児健康診査身体診察マニュアル

この表は、国立成育医療研究センターのマニュアルに基づいた、健診の際の発達の目安として使われるものです。
調査によって時期が多少違うこともあるけれど、おおよその時期を覚えておけば大丈夫です。

乳児期の発達のマイルストーン:重要ポイント
3か月ごろ 首がすわる、声をだして笑う
4か月ごろ 両手で体を支える(うつ伏せで頭を上げる)、ガラガラを握る
6か月ごろ 寝返り、声の方向に振り向く
8か月〜10か月ごろ 座れる(5秒以上)、つかまり立ち、喃語(なんご)を話す
12か月(1歳)ごろ バイバイをする、意味なく「パパ」「ママ」と言う

乳児期〜幼児期:運動機能発達まとめ(粗大・微細セット)

発達には個人差があり、必ずしも表の通りではありませんが、試験ではこの表の時期から大幅に外れている場合は間違いだと判断する目安になります。

手先の器用さは、大きな運動(粗大運動)と連動しながら、少しずつ繊細になっていきます。

発達時期と運動機能の目安
乳児期(0歳〜1歳)
発達時期 粗大運動(大きな動き) 微細運動(手先の動き)
3〜4か月 首がすわる 手を出して、ものをつかもうとする
4か月 支えられれば座れる 手のひらで、ものをつかむ
6か月 寝返りができる、短時間なら1人で座れる 左右の手で同時にものを持つ
7〜8か月 ひとりで上手に座ることができる 熊手形でつかむ、両手でおもちゃを持つ
10か月 つかまり立ちができる
11か月 つたい歩きやひとり立ちができる 親指と人差し指全体でつかむ
幼児期(1歳〜5歳)
発達時期 粗大運動(大きな動き) 微細運動(手先の動き)
1歳〜1歳2か月 階段をはって上る 指先だけでつまむ
1歳3〜4か月 9割の子どもが歩けるようになる
1歳6〜10か月 片手を支えられて階段を上る 積み木を2〜3個積める、スプーンで食事ができる
2歳 両足で跳ぶ、転ばないで走れる 積み木を4〜6個積める
3歳 三輪車に乗れる、ブランコに立って乗れる ボタンを外す
4歳 でんぐり返しをする、片足とびができる はさみを使う
5歳 スキップする
  1. 「90%」の通過率が狙われやすいですわ💖
    3〜4か月 = 一般的な発達の目安
    4〜5か月未満 = 90%の子ができるようになる時期
    「3か月で首がすわる」という選択肢は「○」ですが、「3か月で90%以上がすわっている」と書かれていたら「×」と判断するのがコツですわ🌙
  2. 「歩行」の完成時期を見極めるのですわ💖
    11〜12か月 = つた歩き、ひとり立ちが始まる時期
    1歳3〜4か月 = 9割の子どもが歩けるようになる時期
    1歳4〜5か月未満 = 最新調査で90%以上が歩ける時期
  3. 手先の器用さ(微細運動)のポイントですわ💖
    4か月 = 手のひらでガバッといきます
    7〜8か月 = 指を曲げて熊手形で引き寄せます
    11か月 = 親指と人差し指全体を使います
    1歳過ぎ = 指先だけで丁寧につまめるようになります

22-3心の発達

心の発達には五感で捉える知覚、それを判断・処理する認知、そして喜怒哀楽などの感情である情緒の3つがあります。

循環反応

赤ちゃんが何度も同じ動作(手をしゃぶる、首を動かすなど)を繰り返すことを循環反応といいます。
これを繰り返すことで、自分の体や周りの世界について学びます。

ものの永続性

生後8か月頃になると、目の前にある物を布で隠しても「そこにある」と理解できるようになります。
これをものの永続性と呼びます。

愛着関係(アタッチメント)

養育者(お母さんなど)との間に築かれる親密な心の絆のことです。
イギリスのボウルビィが提唱しました。

ボウルビィの愛着行動の4段階

時期 愛着の対象 特徴的な行動
1 出生〜
3か月
誰でもOK 相手を識別せず、誰にでも目を向けたり手を伸ばしたりする(定位・信号)
2 3〜
6か月
特定の数人 誰でもいいわけではなく、特定の養育者に対して顕著に反応し始める(定位・信号)
3 6か月〜
2,3歳
特定の1人 はっきりと区別がつき、人見知りが起こる。
自ら近づこうとする(発信・動作による接近)
4 2,3歳〜 特別な他者 養育者が目の前にいなくても、相手の意図を推測して安心していられる(認知的接近)
  • 定位:愛着相手がどこにいるかを確認する行動
  • 信号:愛着相手を自分に呼び寄せようとする合図(泣く、微笑む、喃語など)
  • 発信:愛着相手の注意を引きつけ、自分に関わってもらおうとする積極的な働きかけ
  • 接近:自分の力で、大好きな相手に近づこうとする行動

ボウルビィのの助手を務めたエインズワースが開発した、母親と1歳前後の乳幼児を対象とし、離れたり再会したりした時の反応を見る実験(ストレンジ・シチュエーション法)を調べました。

ストレンジ・シチュエーション法

タイプ 子どもの反応 母親の特徴
回避型 母親を避ける。
目を逸らしたり、よそよそしくしたりする
子どもに対して、拒否的に振る舞うことが多いです
安定型 離れると泣くけれど、再会すると抱きついて安心できる 子どもの欲求に適切に応え、穏やかに対応します
アンビ
バレント型
不安が強く、再会しても怒って叩くなど、混乱が続く 子どもより、自分の都合に合わせて対応してしまいがちです
無秩序・
無方向型
お母さんに背を向けて近づくなど、矛盾した動きや無表情が見られる 精神的に不安定だったり、虐待の可能性が疑われるケースもあります

人見知り

生後7〜8か月頃、知らない人に不安を感じることを人見知りといいます。
これは特定の養育者との間に愛着関係がしっかり築かれた証拠でもあります。

言葉の発達(クーイング・喃語・初語)

  • クーイング:機嫌が良い時の「アー」「ウー」といった発声です。
  • 喃語(なんご):生後6〜7か月頃からの「バババ」といった音の重なりです。
    これを規準喃語や反復喃語と呼びます。
  • 初語(しょご):初めて発する「ママ」「パパ」などの意味のある言葉のことです。

社会的微笑

生後3か月頃、人があやすと笑うようになることを社会的微笑といいます。
赤ちゃんの意思に関係なく起こる「生理的微笑」の対義語として覚えましょう。

社会的参照と関係性の変化

  • 社会的参照:生後9〜10か月頃、どうしていいかわからない時に養育者の顔色を見て判断することです。
  • 二項関係:赤ちゃんと「もの」、あるいは赤ちゃんと「人」という1対1のやり取りのことです。
  • 三項関係:生後9〜10か月頃、「赤ちゃん・養育者・もの」の3者で注意を共有することです。

指さし

言葉が出る前、他者とのコミュニケーションとして指さしが始まります。

  • 指さしの始まり(9・10か月):指された方を見る。
  • 自発の指さし(11か月〜):自分から見つけたものを指さす。
  1. 何といってもボウルビィの「愛着行動の4段階」と、エインズワースの「ストレンジ・シチュエーション法」の組み合わせですわ💖
  2. 第1段階と第2段階は、行動としてはどちらも「定位・信号」ですが、「相手を識別しているかどうか」が大きな違いですわ💖
    第1段階 = 誰にでもニコニコする
    第2段階 = 特定の人にだけより強く反応する
  3. 他にも狙われるのは人見知りが始まる第3段階ですわ💖
    特定の養育者と愛着が形成されたからこそ起こる、正常な発達段階ですの🌙
  4. 「社会的参照」と「社会的微笑」は名前が似ていますが、全く別物ですわ💖
    社会的微笑 = 3か月頃。あやすと笑う。
    社会的参照 = 9か月頃。お母さんの顔を見て「これ、触ってもいいかしら?」と確認する。