学童期(一般に6〜12歳、小学校期)は、思考が内面化し、社会の中で自分を客観視する力が育つ時期です。
身体はほぼ完成し、動きの正確さなどの質的変化や、速さなどの量的変化が見られます。
思春期に差し掛かると、男女の身体的な特徴が表れる第二次性徴が始まります。
| 思考と認知の仕組み | |
|---|---|
| 論理的思考 | 筋道を立てて考え、論理を展開する力です。 |
| 脱中心化 | 自分だけの視点から抜け出し、他にも考え方があると気づくことです。 |
| メタ認知 | 自分が何を考えているかを客観的に認識することです。 |
| シェマ | 物事を理解するための「思考の枠組み(カテゴリー化能力)」のこと、抽象作用が完成する。 |
| 言葉と仲間関係 | |
| 内言 (ないげん) |
頭の中で考えるための言葉です。 ヴィゴツキーが提唱し、他人と話す「外言」の対義語です。 |
| ギャングエイジ | 家族より仲間の価値観を優先する時期で、自立の証です。 |
| 社会性と自己評価 | |
| 役割取得 | 他者の視点を推察し、期待される役割を理解して振る舞うことです。 セルマンとバイロンが、社会的な視点取得能力として考えました。 |
| 社会的比較 | 他者と比較して自分を評価することです。 フェスティンガーがこの理論を提唱しました。 |
| 道徳 | 正しい行動をするための規範で、3段階の発達を経て身につけていきます。 |
道徳心は、「大人の言うことが絶対」という段階から、次第に「自分で考え、相手の気持ちを思いやる」段階へと成長していきます。
道徳発達の3段階(一般的概要) |
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|---|---|
| 第1段階 | 養育者の判断がすべて(幼児期) |
| 第2段階 | 道徳の相対化(8〜10歳)状況で判断が変わると気づきます。 |
| 第3段階 | 道徳の適応化(10歳以降)相手で判断が変わると理解し、成人と同等の観念を持ちますの。 |
ピアジェによる道徳の発達段階 |
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|---|---|---|
| 段階 | 時期 | 概要 |
| 自己中心性 | 幼児期〜 | 他人の評価は気にしません |
| 他律的道徳観 | 5〜9歳 | 大人のルールは絶対。 意図より「結果」で善悪を判断します |
| 自律的道徳観 | 9歳〜 | 自分でルールを考える。 「意図」も考慮して判断できるようになります |
コールバーグによる道徳の発達段階 |
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|---|---|---|
| レベル | 段階 | 概要 |
| 慣習以前 (自分中心の時期) |
罰と服従への志向 | 怒られるからやらない、褒められるからやる、というシンプルな判断 |
| 道具主義的相対主義への志向 | 自分にとって得があるか、自分の願いが叶うかどうかで考える | |
| 慣習的 (周りに合わせる) |
いい子への志向 | 周りの人から「いい子ね」と思われたい、嫌われたくないという気持ちが基準になる |
| 「法と秩序」の維持への志向 | 社会のルールや法律は絶対だと考え、それを守ることを優先 | |
| 脱慣習的 (自分の信念を 持つ) |
社会契約的遵法への志向 | ルールの重要性を理解した上で、それ以上に「人間として大切にすべきこと」があると考える |
| 普遍的な倫理的原理への志向 | 法律を超えて、自分の良心に従って「何が本当に正しいのか」を考え、行動する | |
アイゼンバーグによる道徳判断 |
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|---|---|---|
| 「思いやり」に基づく向社会的(プロソーシャル)行動に注目しました | ||
| 段階 | 時期 | 概要 |
| 段階1 快楽主義的 |
小学校 低学年まで |
「自分のトク」自分や好きな人のためだけ |
| 段階2 他人の要求 |
小学生(中心) | 「単純な親切」理由は深く考えず、寄り添う |
| 段階3 承認・対人的 |
小学生の一部〜 中高生 |
「褒められたい」いい子に見られたい |
| 段階4-1 共感的 |
中高生(中心) | 「相手の立場」相手を心から気遣う |
| 段階4-2 移行段階 |
中高生以上 | 「なんとなく義務」大事なのはわかるけど曖昧 |
| 段階5 強く内面化 |
中高生の少数 (大人の段階) |
「自分の信念」自分の良心に従う |
学童期は、幼児期に自己中心性をもって形成され始めた「自己」が、学校という集団生活を経験することで、自己に対する客観的な思考を持つようになるのがこの時期の特徴です。
思考の方法も、論理的に変化してきます。