32-1炭水化物(糖質)

炭水化物(糖質)は、炭素、水素、酸素で構成されています。
体内に入ってエネルギー源となる糖質と、消化酵素で消化できない食物繊維の2つに大別されます。
糖質のエネルギー量は、1g当たり4kcalです。

単糖類

  • 分子が1個で存在する糖質の最小単位
  • 糖の最小単位で、分子が1つだけのもの
  • 主な働きは、人のエネルギー源となること
種類 食品 特徴
ブドウ糖
(グルコース)
穀類、果物、野菜、はちみつ エネルギー源となり、血液中には血糖として含まれます。
ショ糖、でんぷん、グリコーゲンの構成成分
果糖
(フルクトース)
果物、はちみつ 糖質の中で最も甘味が強いのが特徴で、ショ糖の構成成分となります。
ガラクトース 乳汁 乳糖の構成成分となります。

少糖類

  • 単糖が2〜10個結合したもので、オリゴ糖といいます
  • 単糖が2個結合したものは二糖類と呼ばれます
種類 食品 特徴
ショ糖
(スクロース)
砂糖、さとうきび 一般的に砂糖といわれ、甘味料として使用されます
乳糖
(ラクトース)
母乳、牛乳 乳児のエネルギー源となり、乳児の腸内のビフィズス菌を増やす働きがあります。
麦芽糖
(マルトース)
麦芽、水あめ、はちみつ 体内で、でんぷんが唾液・膵液アミラーゼによって分解されて生成されます。

多糖類

  • 多糖類は、単糖類が多数結合したものです
  • その中でも特に重要なグリコーゲンは、主に肝臓や筋肉に蓄えられます
  • 体内でブドウ糖が不足してくると、グルカゴンによって分解され、
    ブドウ糖となり、血糖を維持するという働きがあります
種類 食品 特徴
ショ糖
(スクロース)
砂糖、さとうきび 一般的に砂糖といわれ、甘味料として使用されます
乳糖
(ラクトース)
母乳、牛乳 乳児のエネルギー源となり、乳児の腸内のビフィズス菌を増やす働きがあります。
麦芽糖
(マルトース)
麦芽、水あめ、はちみつ 体内で、でんぷんが唾液・膵液アミラーゼによって分解されて生成されます。
デンプン
(グルコース)
穀類、イモ類、豆類
  • アミロース:ブドウ糖が直鎖状に結合したもので粘性がない
  • アミロペクチン:ブドウ糖が枝分かれして結合したもので粘性がある

食物繊維

食物繊維とは、食物中に含まれている、人の消化酵素で消化することのできない物質のことで、構造上、糖質に分類されます。
不溶性食物繊維 水に溶けない性質を持ちます(セルロース、キトサンなど)
水溶性食物繊維 水に溶ける性質を持ちます(ペクチン、グルコマンナンなど)

難消化性糖類

体内で消化されにくい糖類のことです。
糖アルコール キシリトールやソルビトールなど。人工甘味料として使用されます
難消化オリゴ糖 フラクトオリゴ糖など。便通改善などに使用されます

消化吸収

糖質の消化吸収は、多糖類・少糖類から単糖類に分解されることによって行われます。
消化の場所 消化酵素 分解生成物
口腔 唾液アミラーゼ でんぷん → 麦芽糖(マルトース)
十二指腸 膵アミラーゼ
小腸上皮細胞 マルターゼ 麦芽糖(マルトース) → ブドウ糖(グルコース)
スクラーゼ ショ糖(スクロース) → ①ブドウ糖(グルコース)
②果糖(フルクトース)
ラクターゼ 乳糖(ラクトース) → ①ブドウ糖(グルコース)
②ガラクトース

糖質の消化プロセス

  • 最終的に小腸で吸収されます。
  • 血液の中で血糖となることで全身に送られ、エネルギー源となります。
  • 血中のブドウ糖濃度(血糖)は、常に約0.1%に維持されています。
  • 血糖とならなかった分については、肝臓で代謝されてグリコーゲンとなり、肝臓や筋肉に貯蔵されます。
  1. 「炭水化物は炭素、水素、酸素で構成されている」いますわ💖
    窒素と出ていたら迷わず「×」です🌙
  2. 「でんぷん(植物)」と「グリコーゲン(動物)」のあべこべ問題に注意です💖
    でんぷん = 植物がグルコースを貯めておくカタチ(お米やイモ)
    グリコーゲン = 動物がブドウ糖を貯めておくカタチ(私たちの肝臓)

32-2脂質

脂質は、炭素、水素、酸素で構成されています。
エネルギー源になるほか、細胞膜の構成成分や生理活性物質として機能します。
脂質は水に溶けず、アルコールなどの有機溶媒に溶ける性質があります。
エネルギー量は1g当たり9kcalで、体内で貯蔵脂肪にもなります。

単純脂質

  • 単純脂質は、グリセロールと脂肪酸が3分子結合したものです
  • 脂肪酸は、炭素の鎖に二重結合があるかないかで2つに分類されます
種類 食品 特徴
飽和脂肪酸
(二重結合を
持たない)
やし油、牛脂、豚脂、バター 常温で固体のものが多い
不飽和脂肪酸
(二重結合を
持つ)
オリーブ油、ごま油、魚油など 常温で液体となる。
人の体内でつくることができないものは必須脂肪酸と呼ばれます

複合脂質

複合脂質は、単純脂質にリン酸・硫黄・窒素塩基・糖などが加わったものです
種類 特徴
リン脂質 リンと脂肪酸が結合したもので、生体膜の構成物質となります
糖脂質 と脂肪酸が結合したもので、こちらも生体膜の構成物質となります

誘導脂質

誘導脂質は、単純脂質や複合脂質から加水分解
(化合物が水と反応して起こる分解反応)によって得られる脂質です
種類 コレステロール エルゴステロール
特徴 細胞膜、副腎皮質ホルモン、性ホルモン、胆汁酸などの構成物質。
肝臓でも合成されます
植物組織のステロールで、紫外線を浴びてビタミンD₂となります(プロビタミンD)
LDLコレステロール:悪玉コレステロール
過剰分が血管壁に沈着して動脈硬化の原因となります
HDLコレステロール:善玉コレステロール
過剰なコレステロールを回収し肝臓へ運びます

消化吸収

脂質は水に溶けないため、まずは乳化(油と水が混ざり合うようにすること)させることで消化していきます
場所 十二指腸
働き 胆のうからの胆汁酸によって乳化され、膵臓からの消化酵素膵リパーゼによって、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます

脂質の吸収・代謝

  • 場所:小腸で吸収されます。
  • 運命:吸収された脂肪酸のうち、短鎖・中鎖脂肪酸は肝臓へ行き、エネルギー源となります。
  • 貯蔵:エネルギーとして利用されなかったものは中性脂肪となり、貯蔵脂肪として蓄積されます。
  • その他:体内では合成できない必須脂肪酸の供給源ともなります。
  1. 脂質のエネルギー量「9kcal」は、全栄養素の中で堂々の1位ですわ💖
    1位:脂質 = 1g当たり9kcal
    2位:糖質(炭水化物) = 1g当たり4kcal
  2. 「悪玉(LDL)」と「善玉(HDL)」のあべこべ問題に注意ですわ💖
    LDLコレステロール = 血管に沈着して動脈硬化を招く「悪玉」
    HDLコレステロール = 回収して肝臓へ戻すお掃除係の「善玉」

32-3たんぱく質

たんぱく質は、炭素・水素・酸素・窒素で構成されています。
体内でアミノ酸に分解されます。

たんぱく質の分類

たんぱく質の働き

  • 単純たんぱく質:アミノ酸のみ
  • 複合たんぱく質:アミノ酸 + ほかの物質
  • 誘導たんぱく質:熱や酸などで変化したもの
  • エネルギー源になる
  • 体の組織(筋肉や皮膚など)を作る
  • 体液を弱アルカリ性に保つ
  • 酵素・ホルモン・免疫体などを作る

必須アミノ酸

体内で作れない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、食事から摂る必要があります。
ロイシン、イソロイシン、バリン、リシン、トレオニン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、ヒスチジン

アミノ酸スコアと食品

  • アミノ酸スコア:数値が高いほど良質(最高は100)。鶏卵などが代表的です。
動物性たんぱく質・
大豆たんぱく質
肉類、魚類、大豆製品、乳製品、母乳など。
栄養価が高い
植物性たんぱく質
(米・小麦)
米、小麦など。動物性たんぱく質と比べ、栄養価は低い

消化と吸収

  • 胃でペプシンによって分解
  • 十二指腸・小腸でトリプシンなどの酵素により、最終的にアミノ酸になります
  • 小腸から吸収され、門脈を通って肝臓へ運ばれます
  • 血液で全身へ運ばれ体たんぱく質に作り替えられます
  1. たんぱく質の消化といえばペプシンと「〇〇ダーゼ」という名前の酵素ですわ💖
    これらが出てきたら「たんぱく質の消化」だとすぐに結びつけてくださいませ🌙
    あと、吸収されたアミノ酸が通る道は門脈ですわ。
  2. 「糖質、脂質、たんぱく質はすべて窒素を含んでいる」という選択肢が出たら、自信を持って「×」をつけてくださいませ💖
    窒素という言葉が出てきたら、反射的に「たんぱく質」や「アミノ酸」を連想してください🌙

32-4ミネラル

ミネラル(無機質)は、体の約4%を占める成分で、体の機能調整や体を作る働きをします。
体内で多く必要な多量ミネラルと、わずかで良い微量ミネラルがあります。

ミネラルの主な働き

  • 骨や歯を作る
  • たんぱく質とくっついて筋肉や血液などを作る
  • 神経の伝達や筋肉の運動など、身体機能の調整をする
  • 体液を弱アルカリ性に保ち、浸透圧を調節する

多量ミネラル

種類 働き 過剰・欠乏時 食品
ナトリウム 体液に含まれ、筋肉の収縮や浸透圧、水分バランスを維持 (過剰)浮腫(むくみ)
(欠乏)筋肉のけいれん
食塩、味噌、しょうゆ
カリウム 細胞内に存在し、浸透圧や心臓機能筋肉・神経の調節 (欠乏)筋力低下、麻痺、頻脈 野菜、果物、いも類
カルシウム 99%が骨と歯に存在。
血液凝固の促進や、体液を弱アルカリ性に保つ
(欠乏)骨粗鬆症、乳幼児期はテタニー 牛乳、乳製品、小魚、海藻類
マグネシウム 骨と歯(60〜65%)や筋肉・脳に存在。筋肉の収縮や神経伝達を助けます (欠乏)骨形成の障害、神経の興奮 緑黄色野菜、穀類、肉類
リン 80%が骨と歯に存在。
カルシウムと結合して骨を作り、糖質の代謝を助けます
(過剰)腎臓機能の低下
(欠乏)骨や歯がもろくなる
肉類、卵、魚介類、穀類

微量ミネラル

種類 働き 過剰・欠乏時 食品
60〜70%が血液中の赤血球のヘモグロビンに存在し、残りはミオグロビンなどに存在。
体内で酸素を運ぶ
(欠乏)貧血 レバー、しじみ、卵黄、緑黄色野菜
亜鉛 たんぱく質の合成や、舌の味蕾の正常な発育に関わります (欠乏)味覚障害、成長不良 魚介類、レバー、うなぎ、牛乳
多くが肝臓に含まれます。ヘモグロビン生成時に、鉄の利用率を上げます (欠乏)貧血 貝類、レバー、チョコレート
マンガン 骨の生成を促進し、酵素の構成成分となります (欠乏)骨の発育不全 貝類、栗
ヨウ素 甲状腺ホルモンの成分であるサイロキシンに含まれ、発育を促進します (欠乏)甲状腺機能低下症
胎児ではクレチン症
海藻類
セレン 解毒作用があります (欠乏)成長に影響 魚介類、レバー、卵類
クロム 糖質や脂質の代謝に関わります (欠乏)耐糖能低下 穀類、海藻、卵類
モリブデン 補酵素として機能 (欠乏)成長遅延 豆類、穀類
  1. 鉄と銅はどちらも欠乏すると貧血になりますが、働きが少し違います💖
    :ヘモグロビン = 「材料」そのもの
    :ヘモグロビン = 「助ける」役割
  2. 多量ミネラルは主要な5種類を覚えればバッチリですわ💖
    「菜(Na)っ葉(K)に掛(Ca)ける、マグ(Mg)カップのリン(P)」
    Na:ナトリウム、K:カリウム、Ca:カルシウム、Mg:マグネシウム、P:リン

32-5ビタミン

ビタミンは体の機能を整える大切な栄養素ですが、体内でほとんど合成できないため、食品から摂る必要があります。
ビタミンは糖質、脂質、タンパク質などが体内でエネルギーとなる際などに働きを助けます。

水溶性ビタミン

水に溶けやすく、尿と一緒に体外へ出るため、日常的に摂取が必要です。
種類 働き 欠乏 食品
ビタミンB1 糖質の代謝に関係し、胃液の分泌を助ける 脚気、心臓肥大、浮腫 豚肉、胚芽、レバー
ビタミンB2 糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関係 口内炎、成長阻害 レバー、牛乳、肉類
ビタミンB6 アミノ酸の代謝に関係し、腸内細菌からも供給 皮膚炎、貧血 レバー、魚類、肉類
ビタミンB12 造血作用がある 悪性貧血 魚介類、レバー
ビタミンC コラーゲン生成鉄の吸収率を高める 壊血病、皮下出血 果物、野菜、緑茶
ナイアシン 糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関係 ペラグラ、皮膚炎など レバー、肉類、豆類
葉酸 アミノ酸の代謝、造血作用に関係。
妊娠初期に欠かせない
悪性貧血、胎児の神経管閉鎖障害 レバー、卵黄、緑黄色野菜
ビオチン 脂肪酸の合成や代謝に関係、腸内細菌から提供される 皮膚炎 レバー、肉類、牛乳
パントテン酸 糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関係 めまい、副腎障害 レバー、肉類、卵黄

脂溶性ビタミン

油に溶け、体内に蓄積されるため、摂りすぎると過剰症になる可能性があります
種類 働き 欠乏 食品
ビタミンA 皮膚や粘膜の保護、成長促進 夜盲症、皮膚の角質化 レバー、バター、うなぎ
ビタミンD カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯を作る。
紫外線で生成
小児はくる病、成人は骨粗鬆症 レバー、卵黄、魚
ビタミンE 細胞膜の酸化防止(アンチエイジング) 動脈硬化 ゴマ油、ナッツ類
ビタミンK 血液凝固(止血)を助け、を作る
腸内細菌から合成される
新生児メレナ血液凝固の遅れ 緑黄色野菜、納豆
  1. ビタミンは「欠乏症の名前」がとにかく重要ですわ💖
    水溶性 = 「毎日摂る」
    脂溶性 = 「体に貯まるから摂りすぎ注意」
    また、ビタミンB12と葉酸はどちらも欠乏すると悪性貧血になるので、セットで覚えておくと効率が良いですわ🌙
  2. ビタミンA = 夜盲症(暗いところで見えない)
    ビタミンB1 = 脚気
    ビタミンC = 壊血病
    ビタミンD = くる病(骨の変形)
    この4つは、反射的に答えられるようにしておくと安心ですわ