37-1日本人の食事摂取基準 2025年版

この資料は、健康維持と生活習慣病の予防を目的とした、エネルギーや栄養素の摂取目安です。
約5年ごとに見直され、2025年から新しく適用されています。

策定の背景と目的

健康日本21(第三次)の方針と連動しており、生活習慣の改善や病気の重症化予防を徹底することが目的です。
今回の改定では、生活習慣病に加え、骨粗鬆症と栄養素の関連が新たに追加されました。

変更点

  • 疾患のリストに骨粗鬆症が追加されました
  • 鉄の耐容上限量が削除されました
乳児 0〜5か月、6〜11か月 小児 1〜17歳
成人 18〜64歳 高齢者 65歳以上

「基準における定義」と「BMI」

栄養素の指標(5つの指標)

推定平均
必要量
集団の50%が必要量を満たす、平均値の推定値
推奨量 ほとんどの人(97〜98%)が充足している量
目安量 特定の集団においてある一定の栄養状態を維持するのに十分な量
耐容上限量 健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限
目標量 生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量です

エネルギーの指標

エネルギーの
指標
エネルギー収支バランスの維持を示す指標としてBMIを用います
エネルギー
必要量
身体活動レベルに応じ、エネルギー消費量と均衡がとれる摂取量のこと

疾患・状態の定義

生活習慣病 高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病
フレイル 健常状態と要介護状態の中間的な段階のこと
サルコペニア 高齢期の筋肉量減少と筋力または身体機能の低下を指す疾患です
エネルギー
産生栄養素
バランス
タンパク質、脂質、炭水化物が総エネルギー摂取量に占めるべき割合(%エネルギー)のこと
年齢 BMI 年齢 BMI 年齢 BMI
18〜49 18.5〜24.9 50〜64 20.0〜24.9 65以上 21.5〜24.9

注意すべき栄養素

推定エネルギー必要量

エネルギーの必要量は、活動の多さに応じて3つのカテゴリーに分けられています。
小児や妊婦・授乳婦の場合は、基礎となる量に成長や妊娠継続・授乳に必要なエネルギー量を付加量として加えます。

低い 自宅にいてほとんど外出しない。
高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている場合も含まれます。
ふつう 自立している者
高い 活発に運動や仕事をしている

推定エネルギー必要量の算出方法
成人(妊婦・授乳婦除く)は、以下の式で計算されます。
推定エネルギー必要量 =
体重1kg当たりの基礎代謝量基準値 × 参照体重 × 身体活動レベル基準値

たんぱく質

指標設定の考え方

  • 乳児には目安量を設定しています。
  • 1歳以上のすべての区分には、推定平均必要量、推奨量、目標量を定めています。
  • 耐容上限量は、いずれの年齢区分にも定められていません。

目標量の割合(%エネルギー)

  • 基本は13〜20%エネルギーですが、一部例外があります。
  • 65歳以上は下限が上がり、15〜20%エネルギーとなります。
  • 妊婦(初期・中期)の目標量は13〜20%エネルギーです。
  • 妊婦(後期)及び授乳婦の目標量は15〜20%エネルギーです。

脂質

  • 脂質はエネルギー産生栄養素の一種です。
  • たんぱく質や炭水化物の摂取量を考慮する必要があるため、1歳以上については総エネルギー摂取量に占める割合(%エネルギー)として目標量(範囲)を設定しています。
  • 0〜11か月:目安量を設定しています。
  • 1歳以上:目標量として20〜30%エネルギーを設定しています。

炭水化物

  • 糖質はエネルギー源として重要ですが、必要量は明確にできません。
    そのため、耐容上限量や目安量は設定されておらず、目標量のみを算出しています。
  • 数値は、1歳以降の男女すべてにおいて、50〜65%エネルギーと設定されています。
  • 2020年版からは妊婦・授乳婦においても目標量が設定されています。

食物繊維

  • 摂取不足が生活習慣病の発症に関連するという報告が多いため、目標量が設定されています。

エネルギー産生栄養素バランス

  • エネルギーを産生する栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物・アルコール)が総エネルギー摂取量に占めるべき割合(%エネルギー)を示す指標です。
  • 摂取不足の回避と、生活習慣病の発症予防および重症化予防を主な目的としています。

ビタミンD

欠乏・不足による影響

  • 欠乏すると、小児ではくる病、成人では骨軟化症を引き起こすことがあります。
  • 軽度の不足でも低カルシウム血症を招き、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります。

摂取と産生の特徴

  • ビタミンDは食事から摂るだけでなく、日光(日照)を浴びることで皮膚でも産生されます。
  • フレイル予防も含め、全年齢で適度な日光浴が推奨されています。

指標の設定

  • 皮膚での産生量を正確に把握するのが難しいため、必要量ではなく目安量が設定されています。
  • 過剰摂取による健康障害(高カルシウム血症)を防ぐため、耐容上限量もあわせて設定されています。

ナトリウム(食塩)

  • 日本のナトリウム摂取量は食塩(塩化ナトリウム)に依存しており、通常の食事で不足や欠乏することはほぼありません。
  • 摂取基準を設ける主な意味は、むしろ過剰摂取による生活習慣病の発症および重症化を予防することにあります。
  • 高血圧および慢性腎臓病(CKD)
  • 重症化予防の食塩相当量は男女ともに6.0g/日未満

カルシウム

  • 骨や歯の主要な構成成分で、骨粗鬆症の予防に欠かせません
  • 普段から必要な量を摂取できていれば、妊娠中であってもあえて多く摂る必要はないとされています。
  • この考えに基づき、妊婦・授乳婦の「推定平均必要量」および「推奨量」の付加量は、どちらも「+0」と設定されました。

  • 鉄の自給自足:生後4か月頃までは、胎内で蓄えた「貯蔵鉄」を利用してやりくりできます。
  • 0〜5か月児の基準:母乳だけで十分と判断し「母乳中の鉄濃度」に「基準哺乳量(0.78 L/日)」を掛け合わせた数値を目安量としています。
  • 2025年版の変更点:鉄の過剰摂取リスクは無視できるという報告に基づき、2025年版から「耐容上限量」の設定がなくなりました。
  • 最大値の時期:10〜14歳の女性(月経あり)において、鉄の推奨量が全時期で最も大きい値となります。
    第二次性徴期の月経が始まるタイミング。
  1. 鉄の耐容上限量:2025年版で削除されましたわ💖
  2. BMIの下限値:年齢とともに【18.5 → 20.0 → 21.5】と上がっていく変化を覚えてくださいませ💖
  3. ビタミンD:欠乏すると「小児はくる病」「成人は骨軟化症」ですわ💖
    「日光浴」もキーワードですの🌹
  4. 筋肉量減少:ときたらサルコペニア、健常と要介護の間ならフレイルですわ💖
  5. 炭水化物:1歳以上の男女すべてにおいて、50〜65%エネルギー目標量ですわ💖