03-1子どもに関わる施策・制度

「子ども子育て制度」は、2015(平成27)年4月から始まった、日本の教育・保育の新しい枠組みです。
子ども・子育て支援法という教育・保育制度の枠組みに基づいて作られました。

制度の3つの
目的
  • 質の高い幼児期の教育・保育を総合的に提供すること
  • 保育の量的な拡大・確保(受け入れ人数を増やすこと)
  • 地域の子ども・子育て支援を充実させること
制度の運営
(主体)
この制度を実際に動かす中心(実施主体)は、私たちの暮らしに一番近い市町村です。
ただし、お仕事と子育てを両立させるための事業などは、国や企業が主体となることもあります
管轄と組織 2023(令和5)年4月からは、新しくできたこども家庭庁がこの制度をまとめています。
また、専門的な意見を聴くために、こども家庭庁の中にこども家庭審議会が置かれています

子ども・子育て支援制度における給付の種類

市町村 子ども・子育て
支援給付
  • 現金でもらえるもの:児童手当、妊婦支援給付金
  • サービスとして受けるもの:施設型給付・地域型保育給付(保育園や幼稚園など)、施設等利用給付
地域子ども・
子育て支援事業
地域のニーズに合わせた事業や健康診査など
仕事・子育て
両立支援事業
  • 企業が作る保育所:企業主導型保育事業
  • ベビーシッターの利用支援:企業主導型ベビーシッター利用者支援事業
  • 中小企業の環境整備:中小企業子ども・子育て支援環境整備事業

子どものための現金給付

児童手当の正体

子どものための現金給付と呼ばれていますが、新しくできたものではなく、もともとある児童手当法に基づいた仕組みのことです。
実施主体は、おなじみの市町村です。

2024(令和6)年10月からの大きな改正

新しいお財布「こども金庫」

2025(令和7)年4月に、国は子ども・子育て支援特別会計(通称:こども金庫)という新しい仕組みを作りました。
この中には2つの「勘定(担当部署のようなもの)」があります。

子ども・
子育て支援勘定
内閣総理大臣 児童手当交付金、教育・保育給付、妊婦のための支援給付金など
育児休業等給付勘定 厚生労働大臣 育児休業給付費、育児時短就業給付費など

妊婦のための支援給付(妊婦支援給付金)

2025(令和7)年4月から、妊娠期からの「切れ目ない支援」を目指して新しい給付が始まりました。

妊婦支援
給付金
のしくみ
  • 1回目(妊娠時):申請して妊婦給付認定を受けると、5万円が支給されます
  • 2回目(出産後):妊娠している子どもの人数などを届け出ると、妊娠している子どもの人数 × 5万円が支給されます
伴走型
相談支援
とのセット
お金(経済的支援)を渡すだけでなく、悩みを聞いたりアドバイスをしたりする「相談(伴走型相談支援)」をセットで行うのがこの制度の特徴です。
  • 相談の窓口は市町村(こども家庭センター)です
  • 児童福祉法に基づく妊婦等包括相談支援事業と組み合わせることで、心と体のケアを一緒に行います
  1. 給付の種類の中で、名前をセットで覚えるべきものはこちらですわ💖
    施設型給付 = 幼稚園・保育所・認定こども園
    地域型保育給付 = 小規模保育・家庭的保育など
  2. 「改正後の児童手当」の内容で、数字のひっかけに注意ですわ💖
    支給期間は「高校卒業まで」ではなく、「18歳の誕生日以後の最初の3月31日まで」という正確な言い回しで覚えましょう🌙
  3. 「だれが管理しているか」の組み合わせは超重要ですわ💖
    子ども・子育て支援勘定 = 内閣総理大臣
    育児休業等給付勘定 = 厚生労働大臣
    「育休(仕事)」に関係する方は、労働の専門家である厚生労働大臣だと関連付けると忘れにくいですわ🌹

03-2子どものための教育・保育給付
〈施設型給付〉

施設型給付とは、保育所、幼稚園、認定こども園を利用することを指します。
お金が直接もらえるわけではなく、サービスを受ける形での給付になります。
実施主体は市町村です。

利用できる児童と認定区分


対象は0歳から小学校就学前までで、年齢や状況によって「認定」が分かれます。
種類 特徴 年齢 認定区分
保育所 就労などのため、家庭で保育のできない保護者に代わって保育する施設 0〜2歳 3号認定(保育認定)
3〜5歳 2号認定(保育認定)
幼稚園 小学校以降の教育の基礎をつくるための幼児期の教育を行う学校 1号認定
(教育標準時間認定)
認定
こども園
幼稚園と保育所の機能や特長をあわせ持ち、地域の子育て支援も行う施設 0〜2歳 3号認定(保育認定)
3〜5歳 保育所型、幼保連携型
2号認定(保育認定)
幼稚園型
1号認定
(教育標準時間認定)

利用の手続き


施設を利用するには、住んでいる市町村から利用のための認定を受ける必要があります
2号・3号認定
(保育所など)
市町村が保育の必要性を判断し、利用を認めます
1号認定
(幼稚園など)
保護者が園に直接申し込みます

認定こども園の4つの区分

幼保連携型 幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持った単一の施設
幼稚園型 認可幼稚園が、保育が必要な子のための時間を確保したタイプ
保育所型 認可保育所が、保育が必要な子以外(幼稚園児など)も受け入れるタイプ
地方裁量型 認可のない地域の施設が、認定こども園として必要な機能を果たすタイプ

子どものための教育・保育給付
〈地域型保育給付〉

地域型保育給付は、主に待機児童が多い0〜2歳(3号認定)を対象とした、少人数で行う保育サービスへの給付です。
実施主体は市町村になります。

地域型保育の4つの区分

家庭的保育 定員5人以下 家庭的な雰囲気の中で行う少人数の保育
小規模保育 定員6〜19人 少人数を対象とした保育
事業所内保育 会社の事業所など 会社の保育施設などで、従業員と地域の子を保育
居宅訪問型保育 1対1の個別保育 子どもの自宅で個別に行う保育

対象とその後

原則として0〜2歳が対象ですが、状況により3歳以上の児童も対象となる場合があります。
基本的には3歳以降は「施設型給付(幼稚園・保育所など)」に移行する仕組みになっています。
  1. 「認定区分」と「年齢」の組み合わせがよく狙われますわ💖
    2号認定と3号認定はどちらも「保育認定」ですが、境目は「3歳」🌙
    3歳以上 = 2号
    3歳未満(0〜2歳) = 3号
  2. 定員の「数字」の入れ替え問題に注意ですわ💖
    5人以下 = 家庭的保育
    6人以上19人以下 = 小規模保育

子育てのための施設等利用給付

2019(令和元)年10月1日から、子ども・子育て支援法が改正され、新しく施設等利用給付が始まりました。
実施主体は市町村です。
これは、もともとの教育・保育給付の対象外だった施設や事業を利用する際に、その費用(施設等利用費)を助けてくれる仕組みです。

施設等利用給付の内容と対象児童

  • 認定こども園(施設型給付対象外の施設)
  • 幼稚園(制度未移行の施設)
  • 特別支援学校の幼稚部
  • 認可外保育施設(国の基準を満たすもの)
  • 預かり保育事業
  • 一時預かり事業
  • 病児保育事業
  • 子育て援助活動支援事業
  • 3歳から5歳まで(小学校就学前まで)の子ども
  • 0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもであって保育の必要性がある子ども

地域子ども・子育て支援事業

地域子ども・子育て支援事業は、すべての子育て家庭を対象にした事業です。
実施主体は市町村で、それぞれの地域のニーズ(困りごとや希望)に応じた様々なサポートを行っています。

事業の種類

  • 利用者支援事業(妊婦等包括相談支援事業を含む)
  • 妊婦健康診査
  • 養育支援訪問事業
  • 子育て短期支援事業
  • 一時預かり事業
  • 病児保育事業
  • 実費徴収に係る補足給付を行う事業
  • 地域子育て支援拠点事業
  • 乳児家庭全戸訪問事業
  • 子どもを守る地域ネットワーク機能強化事業
  • 子育て世帯訪問支援事業
  • 児童育成支援拠点事業
  • 親子関係形成支援事業
  • 子育て援助活動支援事業
  • 延長保育事業
  • 放課後児童健全育成事業
  • 多様な事業者の参入促進・能力活用事業
  • 産後ケア事業
  • 乳児等通園支援事業

仕事・子育て両立支援事業

2016(平成28)年4月から、仕事・子育て両立支援事業が開始されました。
これまでの事業と大きく違うのは、国主体で、実施主体が企業であるという点です。

主な3つの事業内容(2025年4月現在)

企業主導型
保育事業
事業所内保育を主軸として、多様な働き方に合わせた保育サービスを広げる支援です
企業主導型
ベビーシッター
利用者支援事業
残業や夜勤などで忙しい労働者が、安くベビーシッター派遣サービスを使えるように支援します
中小企業子ども・
子育て支援環境
整備事業
くるみん認定を活用し、育休取得などに積極的な中小企業を支援します
くるみん認定とは、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組んでいる企業を、厚生労働大臣が認定する制度のことです

2025(令和7)年4月からの新しい給付

法律の改正により、雇用保険の仕組みの中で新しく出生後休業支援給付育児時短就業給付の2つの給付が追加されました。

育児休業制度

育児休業は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(育児・介護休業法)で定められた、仕事と子育てを両立するための制度です。

育児休業の基本

2025年(令和7年)からのさらなる見直し

子の看護休暇の見直し 小学校3年生まで対象を拡大
残業免除
(所定外労働の制限)の
対象拡大
小学校就学前の子を育てる親も対象に
テレワークの導入 育児の短時間勤務の代わりとして、テレワークの導入を努力義務化
公表義務の拡大 状況を公表すべき企業が、従業員数300人超の企業まで広がりました

産後パパ育休と育児休業

産後パパ育休(出生時育児休業) 育児休業制度
  • 子の出生後8週間以内に、
    最大4週間まで取得可能
  • 申請は、休業の2週間前まで
  • 休業中は、労使協定があれば、合意の範囲で可能
  • 子が1歳(最長2歳)まで取得可能
  • 申請は、1ヶ月前まで
  • 休業中は、原則就業不可
  • 特別な事情がある場合に限り、1歳以降の再取得も可能
分割して2回取得可能

2025年(令和7年)4月からの新ルール

子の看護
休暇の拡充
  • 対象期間の延長:これまでは未就学児まででしたが、小学校3年生修了までに拡大されました
  • 取得理由の追加:子供の病気だけでなく、感染症による学級閉鎖や、入園(入学)式・卒園式といった行事でも休めるようになります
残業免除 小学校就学前の子を育てる労働者は、請求すれば所定外労働の制限(残業免除)を受けられます
テレワークの
努力義務
3歳に満たない子を育てる労働者がテレワークを選択できるよう、制度を整えることが事業主努力義務化されます
短時間勤務の
代替措置
時短勤務が難しい職種でも、代替案としてテレワークが追加されました
企業の透明化 従業員数300人超の企業に対し、育児休業等の取得状況を公表することが義務づけられます。
会社がどれだけ育休を取りやすい環境かが可視化された

企業に課される新しい義務

育休を「取れるようにする」だけでなく、企業には「計画を立てて改善する」ことが
求められるようになります(次世代育成支援対策推進法)

対象 従業員数100人超の企業
義務の内容
  • 自社の育休取得状況や労働時間を把握する(PDCAサイクルの実施)
  • 具体的な「数値目標の設定」を行い、行動計画を立てること
現状
令和5年度
調査
制度は整ってきましたが、実際の取得率にはまだ男女差があります
  • 女性:84.1%
  • 男性:30.1%
男性の取得率は増加傾向にありますが、依然として「男性の育児休業取得率は低い」
これを改善するために今回の法改正が行われています
  1. 施設等利用給付の対象児童の年齢と条件の組み合わせに注意ですわ💖
    3〜5歳は全員が対象になりますが、0〜2歳については「住民税非課税世帯」かつ「保育の必要性がある」という厳しい条件がついていますの🌹
  2. 「産後パパ育休」と「育児休業」の数字のひっかけに注意ですわ💖
    パパ育休は「8週間以内に4週間」です。
    しっかり数字を覚えましょう🌙
  3. 2025年からの新ルールは試験の目玉ですわ💖
    子の看護休暇 = 小学校3年生修了まで(以前より長くなりました)
    残業免除(所定外労働の制限) = 小学校就学前まで
    テレワークの努力義務 = 3歳に満たない子まで