05-1ひとり親に関わる法令と定義

ひとり親とは「母子及び父子並びに寡婦福祉法」という法律で、支援の対象が決められています。

配偶者のない
女子・男子
死別や離婚だけでなく、「生死が明らかでない」「遺棄されている(捨てられた)」「配偶者が海外にいて扶養を受けられない」「配偶者が精神・身体の障害で長く働けない」といったケースも含まれます
寡婦(かふ) 配偶者のない女子で、かつてその子(児童)を扶養していたことがある人のことです
児童(対象) この法律では、20歳に満たない者を指します

ひとり親家庭の現状

世帯数の推移

平成12年から平成22年頃までは、母子世帯は増えていました。
しかし、平成22年以降は、母子世帯・父子世帯のどちらも減少傾向にあります

世帯数の規模

母子世帯(約64.7万世帯)の方が、父子世帯(約7.4万世帯)よりも圧倒的に多いのが現状です

平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 令和2年
母子世帯 625,904 749,048 755,972 754,724 646,809
父子世帯 87,373 92,285 88,689 84,003 74,481

ひとり親家庭の現状(収入・就業・背景)

世帯数

母子世帯が119.5万世帯に対し、父子世帯は14.9万世帯となっています。

年間収入

母子世帯の平均年間収入は272万円(うち就業収入は236万円)です。
これに対し、父子世帯の収入は約2倍の518万円となっており、大きな格差があります。

就業状況の特徴

就業状況の比較

世帯の種類 就業状況 正規の職員・従業員 自営業 パート・アルバイト等
母子世帯 86.3% 48.8% 5.0% 38.8%
父子世帯 88.1% 69.9% 14.8% 4.9%

ひとり親世帯になった理由

母子・父子ともに、理由の第1位は離婚

世帯の種類 離婚 死別
母子世帯 79.5% 5.3%
父子世帯 69.7% 21.3%

養育費の状況

項目 母子世帯 父子世帯 数字の意味
A.取り決めをしている 46.7% 28.3% 離婚時などに支払いの約束をした割合
現在も受給している 28.1% 8.7% 世帯全体のうち、実際に今もらっている割合
取り決め世帯の
うち受給中
57.7% 25.9% 「Aで約束した人」の中で、今も継続できている割合
  1. 児童の定義には注意が必要ですわ💖
    児童福祉法では「18歳未満」が基本ですが、この「母子及び父子並びに寡婦福祉法」では20歳に満たない者を児童と言いますの🌙
  2. 母子世帯の就業についてですわ💖
    就業率は高い(約86%)けれど、中身はパート・アルバイト等が4割弱もいるというセットで覚えてくださいまし🌹

05-2ひとり親家庭に関わる施策・制度

児童扶養手当の概要

児童扶養手当とは、児童扶養手当法に基づいて支給される手当です。
ひとり親家庭の自立を助け、子どもの福祉を高めることが目的です。

支給対象者 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童(障害者の場合は20歳未満)を育てている父母や養育者が対象です
支給が
受けられない
ケース
  • 日本国内に住所がないとき
  • 児童が児童福祉施設等に入所している、里親に委託されているとき
  • 父(または母)の事実上の配偶者(内縁関係など)に養育されているとき
最近の改正
ポイント
  • 障害年金の子加算部分の額との差額を、手当として受給できるようになりました
  • 令和6年11月からは、所得制限の緩和や、第3子以降の加算額が引き上げられます

支給の仕組み

支給主体 都道府県および福祉事務所設置町村が窓口となって支給します
費用負担 国が1/3。
都道府県、市および福祉事務所設置町村が2/3の負担
支給時期 奇数月の年6回、隔月支給となっています

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度(経済支援)

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親家庭が仕事のためや子どもの進学などで資金が
必要になったとき、都道府県、指定都市または中核市から借りることができるお金です。

対象者 母子福祉資金 配偶者のない女性で、今まさに子どもを育てている人(お母さん)、および母子・父子福祉団体
父子福祉資金 配偶者のない男性で、今まさに子どもを育てている人(お父さん)、および母子・父子福祉団体
寡婦福祉資金 寡婦(かつて子どもを育てていた一人身の女性)など
貸付金の種類 事業開始資金、事業継続資金、修学資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、就学支度資金、結婚資金(計12種類)
実施主体 都道府県指定都市中核市が担当しています。
※中核市とは、政令指定都市に次ぐ規模の大きな都市のこと

子育て・生活支援

相談・日常生活のサポート

母子・父子自立支援員による相談・支援 福祉事務所にて、ひとり親家庭や寡婦に対し、生活全般や母子父子寡婦福祉資金に関する相談・指導を行います
ひとり親家庭等日常生活支援事業 親が病気や仕事で大変なときに、家庭生活支援員を派遣して、家事や保育のサポートをしてくれる事業です

ひとり親家庭等生活向上事業

相談支援事業 直面する様々な課題に対応するための相談支援
家計管理・生活支援
講習会等事業
家計管理、子どものしつけ・育児、健康管理などの講習会を開催
学習支援事業 高卒認定試験の合格を目指し対策講座を受講している親等へ、学習の進め方の助言などを実施
情報交換事業 ひとり親家庭が定期的に集まり、お互いの悩みを相談しあう場を設置
ひとり親家庭地域
生活支援事業
母子生活支援施設を活用した短期間の施設利用、子育て相談、施設入所に関する福祉事務所等関係機関との連絡・調整など
子どもの生活・
学習支援事業
ひとり親や困窮家庭の子どもに対し、放課後児童クラブ終了後などに基本的な生活習慣の習得支援や食事の提供を行い、生活の向上を図ります

住まいと施設の支援

母子生活支援施設
  • 配偶者のない女子とその児童を入所させて保護し、自立の促進や退所後の相談援助を行う施設です
  • 入所受付は、都道府県および福祉事務所を設置する町村が窓口となります
ひとり親家庭住宅支援資金貸付 自立に向けて意欲的に取り組む児童扶養手当受給者に対し、住居の借り上げに必要な資金の貸付を行います

就業支援

ひとり親家庭の親が経済的に自立できるよう、仕事に関するサポートが行われています。

マザーズ
ハローワーク
ハローワークにおいて、子育てをしながら仕事を探している女性などに対し、きめ細やかな就業支援サービスを提供しています
母子家庭等就業・自立支援センター事業 都道府県指定都市中核市が実施主体です。
就業相談から技能習得の講習会、情報の提供、就業支援サービス養育費の相談などを行っています

養育費確保支援

離婚後もお子さんが健やかに育つための経済的基盤や、親子の交流を支える仕組みです。

養育費相談支援
センター事業
養育費の取り決めに関する難しい事例への対応や、相談に乗る専門スタッフの育成、養育費相談支援センターの開設などを行っています
面会交流支援事業 離婚後にお子さんと離れて暮らす親が会う(面会交流)ことを支援します。
これがしっかり行われることは、養育費を支払う意欲にもつながるとされています。
主に母子家庭等就業自立支援センター事業の中で実施されています
  1. 支給回数と時期もしっかりインプットですわ💖
    児童扶養手当 = 2019年11月から、奇数月の年6回
    児童手当の支給 = 2024年10月から、偶数月の年6回
  2. 実施主体のパターンに注目ですわ💖
    「母子家庭等就業・自立支援センター事業」の窓口は、お金の貸付金と同じく「都道府県、指定都市、中核市」がメインになっていますの🌹