08-1児童福祉法に基づく主な事業

児童福祉法にはたくさんの事業がありますが、まずは「誰を対象に」「どこで」「何をするか」をセットで押さえるのがコツです。

障害児通所支援事業

障害のあるお子さんが、施設に通って療育などの支援を受ける事業です。
住み慣れた地域での生活を支えます。 障害児通所支援事業は、主に市町村が実施主体となり、
原則として満18歳未満の障害児を対象としています。

児童
発達支援
未就学の障害児がメインの対象です。
ただ預かるだけでなく、日常生活における基本的な動作(食事や着替えなど)の訓練や、知識技能の習得、お友だちとの集団生活への適応のための支援をしっかり行います。
特に、足や手が不自由な(肢体不自由)お子さんに対しては、リハビリのような治療もセットで行うのが大きな特徴です
放課後等
デイサービス
学校に通っているお子さんが、授業の後や夏休みなどの長期休暇中に利用する「放課後の居場所」です。
学校の勉強とは別に、自立した生活を送るための訓練をしたり、工作などの創作的活動、地域の人との交流、楽しい余暇の提供など、メニューが豊富です。
基本は18歳までですが、卒業後も支援が必要な場合は満20歳まで通えるという「例外」が試験によく狙われます
居宅訪問型
児童発達支援
重度の障害などで、どうしても外に出ることが難しく、施設に通えないお子さんのための「アウトリーチ(訪問)」型支援です。
障害児の居宅を直接訪問して、その子の状態に合わせた発達支援をマンツーマンで行います
保育所等
訪問支援
「お子さんが施設に行く」のではなく「専門家がお子さんのいる場所へ行く」事業です。
訪問先は保育所、幼稚園、小学校といった教育の場から、乳児院、児童養護施設と幅広くカバーされています。
障害児本人のサポート、また施設支援員に対して専門的なアドバイスをし、施設全体で子どもを支えられるようにします

障害児相談支援事業

障害児やその家族の困りごとを聞き、適切なサービスを使えるよう、利用計画の作成などを行います。

実施主体・対象 実施主体は市町村で、満18歳未満の障害児が対象
障害児
支援利用援助
サービス(通所支援)の申請をしてから、給付が決まる前に、お子さんの状況やご家族の意向を聞いて「障害児支援利用計画案」を作ります
決定後には、関係者と調整をして最終的な障害児支援利用計画を作成します
継続障害児
支援利用援助
作成した計画がうまく進んでいるか、見直し(モニタリング)などを行う事業です

児童自立生活援助事業

施設を退所(措置解除)した後に、共同生活(自立援助ホーム)をしながら自立を目指すための支援です。

実施主体・
対象
実施主体は都道府県等(指定都市、児相設置市含む)
対象は、義務教育終了後から満20歳未満の者(措置解除者等)で、自立のための援助が必要な人です。
また、やむを得ない事情があれば満20歳以上の措置解除者等であっても、アフターケアとして援助を受けることができます
実施場所の
種類
  1. I型:自立援助ホームで実施
  2. II型:母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設または児童自立支援施設で実施
  3. III型:ファミリーホームまたは里親(親族里親を除く)の居宅で実施
入居定員 I型は5人以上20人以下、II型は5人以下です。
III型は、ファミリーホームなら6人以下、里親の居宅なら4人以下となっています。

小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)

里親の経験がある方の自宅などで、5人または6人のお子さんを家族に近い環境で養育します。
自立援助ホームとファミリーホームは、社会的養護を必要とする児童のための事業として運営されています。

実施主体・
対象
実施主体は都道府県等
対象は、満18歳未満の要保護児童ですが、20歳までの措置延長ありとなっています。
事業内容 養育者の住居で、家庭的な環境のもと養育を行います
定員 5人または6人
職員 2人の養育者および1人以上の補助者が必要です。
  • この2人は夫婦などで一の家族を構成している必要
  • 委託児童の養育にふさわしい家庭環境が確保されている場合は1人の養育者および2人以上の補助者とすることもできます

親子再統合支援事業

虐待などの理由で離れて暮らす親子が、再び一緒に暮らせるよう、相談や助言などでサポートします。

実施主体・
対象
実施主体は都道府県等(指定都市、児相設置市含む)
親子関係の再構築が必要と認められる児童とその保護者。
事業内容 児童虐待の防止のために、情報の提供、相談、助言(心理カウンセリング等)を行います。

社会的養護自立支援拠点事業

施設を出た後の人たちが、孤独にならないよう情報提供や相談に乗る拠点を運営する事業です。

実施主体・
対象
実施主体は都道府県等(指定都市、児相設置市含む)
施設などの措置解除者等や自立支援を必要とする方。
事業内容 経験者の孤立を防ぎ、相互の交流を行う場所を提供します。
相互交流の場の提供 自由に交流や意見交換ができる場を作ります
生活、就労等に関する情報提供、相談支援や助言 悩み相談を受け、必要な助言を行います
関係機関との連絡調整 他の福祉サービスや医療、法的支援への連携を行います
一時避難的かつ短期間の居場所の提供 帰る場所を失った場合などに、一時的に滞在できる住居や生活支援を行います

意見表明等支援事業

児童相談所などが子どもの意見を聴く際、子どもが自分の気持ちをしっかり伝えられるようサポートします。

実施主体・
対象
実施主体は都道府県等(指定都市、児相設置市含む)
児童相談所長等による意見聴取などの義務の対象となっている子どもたちなどです。
事業内容 施設や里親家庭などで生活する子どもに対し、独立した立場にある意見表明等支援員が寄り添います。
子どもが自分の悩みや不満、措置の内容について意見をまとめ、関係機関に伝えられるようサポートする仕組みです。

妊産婦等生活援助事業

児童相談所などが子どもの意見を聴く際、子どもが自分の気持ちをしっかり伝えられるようサポートします。

実施主体 都道府県、指定都市、中核市、児相設置市、市および福祉事務所設置町村
対象 特定妊婦や、出産後も引き続き支援が必要な産婦さんとそのお子さんです。
事業内容 住居への入居や通いによって、食事の提供や日常生活の便宜を図ります。
  • 利用者の状態に合わせた支援計画の策定を行います
  • 妊娠の葛藤や育児、自立に向けた相談支援を行います
  • 入居や通いによる居場所・食事提供などの生活支援を行います
  • 児童相談所や市町村、医療機関などの関係機関との連携を密に行います
  • 病院への受診や就労支援機関の利用、行政手続きなどの同行支援も含まれます

妊婦等包括相談支援事業(2025年 令和7年4月創設)

生活が苦しいなどの事情がある妊産婦さんが、安心して出産・育児ができるよう援助を行います。

実施主体 市町村
事業内容
  • 「子ども・子育て支援法」に基づく地域子ども・子育て支援事業の利用者支援事業の中で、妊婦等包括相談支援事業型として実施されます
  • 「母子保健法」の規定による指導とあわせて実施することも可能です

乳児等通園支援事業(令和7年4月創設)

保育所などで3歳未満のお子さんに遊び場を提供したり、保護者に育児のアドバイスをしたりします。

事業の目的 全ての子どもの育ちを応援し、全ての家庭に対して働き方やライフスタイルに関わらない形で支援を強化することです。
実施主体 市町村(特別区を含む)で、適切な委託も可能です
対象となる
こども
保育所や認定こども園、地域型保育事業等に通っていない0歳6か月から満3歳未満の子どもが対象
  • 認可外保育施設に通っている場合は対象ですが、企業主導型保育施設に通っている場合は対象外となります
利用可能
時間
こども1人当たり月10時間を上限としています
実施
事業所
  • 認可を受けた保育所
  • 認定こども園
  • 小規模保育事業所
  • 家庭的保育事業所
  • 幼稚園
  • 地域子育て支援拠点
  • 企業主導型保育施設
  • 認可外保育施設
  • 児童発達支援センター
注意点 この事業は「子ども・子育て支援法」による地域子ども・子育て支援事業の1つとして実施されます

家庭的保育事業

定員6〜19人の小さな施設で、3歳未満のお子さんを中心に手厚い保育を行います。

実施主体・
対象
実施主体は市町村
保育を必要とする満3歳未満の乳幼児(状況により満3歳以上も可)方。
事業内容 6人以上19人以下を定員とする施設で保育を行います
定員 3人以下ですが、家庭的保育補助者とともに保育を行う場合は5人以下となります
職員 家庭的保育者、嘱託医、調理員が配置されます
保育時間 1日につき原則8時間をとし、乳幼児の保護者の労働時間などを考慮して、家庭的保育事業を行うものが定めるもの

小規模保育事業

いわゆる「保育ママ」です。保育者の自宅などで、少人数の乳幼児をアットホームに預かります。

実施主体・
対象
実施主体は市町村
保育を必要とする満3歳未満の乳幼児(状況により満3歳以上も可)方。
事業内容 家庭的保育者の居宅などで保育を行います
定員
  • A型・B型: 6人〜19人以下
  • C型: 6人〜10人以下
職員
A型・B型
共通
保育士の配置基準
  • 乳児:おおむね3人につき1人以上
  • 満1歳〜3歳未満児:おおむね6人につき1人以上
  • 満3歳〜4歳未満児:おおむね15人につき1人以上
  • 満4歳児〜:おおむね25人につき1人以上
  • ※算出された人数に1名追加します
嘱託医、調理員(委託や搬入の場合は置かなくてもよい)が配置されます
職員
各型の特徴
  • B型:職員の半数以上は保育士とします
  • C型:家庭的保育者が担当し、1人で3人以下家庭的保育補助者と一緒なら5人以下を保育します
保育時間 1日につき8時間を原則とします

居宅訪問型保育事業

ベビーシッターのように、お子さんの自宅に伺って1対1で保育を行います。

実施主体・
対象
実施主体は市町村
保育を必要とする満3歳未満の乳幼児(状況により3歳以上も可)
事業内容 乳幼児の居宅において家庭的保育者による保育を行います
  • 集団保育が著しく困難であると認められる乳幼児に対する保育
  • 母子家庭等の乳幼児の保護者が夜間・深夜勤務に従事する場合など
定員 家庭的保育者1人が保育できる乳幼児の数は1人です
職員 家庭的保育者が配置されます
保育時間 1日につき原則8時間をとし、乳幼児の保護者の労働時間などを考慮して、家庭的保育事業を行うものが定めるもの

事業所内保育事業

会社の従業員のお子さんなどを、その会社が設置した保育スペースで預かります。

実施主体 管轄は市町村ですが、実際に運営する主体は事業所です
対象 保育を必要とする満3歳未満の乳幼児(状況により3歳以上も可)
事業内容 事業主等が雇用する労働者の乳幼児を、事業主が設置する施設などで保育します
定員・職員 小規模型事業所内保育事業
  • 19名以下
  • 保育従事者、嘱託医、調理員が配置
事業所内保育事業
  • 20名以上
  • 保育士、嘱託医、調理員が配置
保育時間 1日につき原則8時間をとし、乳幼児の保護者の労働時間などを考慮して、家庭的保育事業を行うものが定めるもの

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業

長く病気と闘うお子さんや家族が、社会で自立していけるよう情報提供や連絡調整を行います。

実施主体 都道府県、指定都市および中核市(適切な者への委託も可能です)
事業内容 慢性的な疾病にかかっていることにより、長期にわたり療養を必要とする児童等の健全育成および自立促進を図るため、相談に応じ、必要な情報の提供や助言、関係機関との連絡調整を行うことです
事業の内容
必須事業
  • 相談支援事業:
    療育相談指導、巡回相談指導、ピアカウンセリング、自立に向けた育成相談などを行います
  • 小児慢性特定疾病児童等自立支援員による支援:
    支援計画の作成やフォローアップ、関係機関との連絡調整、地域支援協議会への参加などを行います
事業の内容
任意事業
療養生活支援、相互交流支援、就職支援、介護者支援など、幅広く支える仕組みになっています

子育て支援事業(15事業)

市町村が実施する、子育てに関する幅広い15種類の支援メニューの総称です。

  1. 放課後児童健全育成事業
  2. 子育て短期支援事業
  3. 乳児家庭全戸訪問事業
  4. 養育支援訪問事業
  5. 地域子育て支援拠点事業
  6. 一時預かり事業
  7. 病児保育事業
  8. 子育て援助活動支援事業
  9. 子育て世帯訪問支援事業
  10. 児童育成支援拠点事業
  11. 親子関係形成支援事業
  12. 妊婦等包括相談支援事業
  13. 児童およびその保護者またはその他の者の居宅において保護者の児童の養育を支援する事業
  14. 保育所その他の施設において保護者の児童の養育を支援する事業
  15. 地域の児童の養育に関する各般の問題につき、保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供および助言を行う事業