15-1障害者

すべての障害者が対象の法律

法令 目的
1960
昭和35
障害者の雇用の促進に関する法律
  • 障害者の就労支援と自立を促す法律
  • 一番の目的は障害者の職業の安定
1970
昭和45
心身障害者対策基本法
  • 自立と社会参加の支援を推進する法律
  • 1993年に「障害者基本法」へと改称
1971
昭和46
知的障害者の権利宣言
  • 国連で採択された世界的な宣言
  • 知的障害者にも他の人間と同等の権利があるとした
1975
昭和50
障害者の権利宣言
  • 国連が1971年の宣言を補足した内容
  • 個人の生活社会生活を一人で営むのが難しい人を「障害者」と定義
1981
昭和56
国際障害者年
  • 世界中で障害者福祉の意識を高めるための年
  • スローガンは「完全参加と平等」
2005
平成17
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
  • 旧「障害者自立支援法」から発展した法律
  • 障害福祉サービスに関わる給付地域生活支援事業などを総合的に実施
  • 障害の有無に関わらず、誰もが安心して暮らせる地域づくりが目的
2006
平成18
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
  • いわゆるバリアフリー法
  • 高齢者や障害者が安全かつスムーズに移動・施設利用できるようにする
障害者の権利に関する条約
  • 障害者の尊厳と権利を守るための国連の条約
  • 日本は2014(平成26)年に批准
2011
平成23
障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律
  • 障害者虐待防止法
  • 障害者への虐待防止を徹底する法律
  • 在宅で支える家族(養護者)への支援も同時に行う
2013
平成25
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
  • 障害を理由にした不当な差別や制限を禁止する法律
  • 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てのない共生社会の実現が目的
2018
平成30
ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律
  • 国全体でユニバーサル社会の実現を目指すための法律
  • 年齢や障害に関わらず、全員の尊厳が重んじられ、支え合える社会づくり
  1. 1970年の「心身障害者対策基本法」が、1993年に「障害者基本法」に改称された歴史は有名ですわ💖

障害の種類別の法律

法令 対象者 目的
1949
昭和24
身体障害者福祉法 身体
障害者
自立と社会経済活動への参加を促すための援助や保護を行う法律
1950
昭和25
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法) 精神
障害者
  • 医療と保護、社会復帰の促進、自立や社会経済活動への参加に必要な援助を行う
  • 国民の精神保健の向上を図ることも目的
1960
昭和35
知的障害者福祉法(制定時は「精神薄弱者福祉法」) 知的
障害者
知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促すための援助や保護を行う法律
2004
平成16
発達障害者支援法 発達
障害者
  • 早期発見や、学校教育・就労における支援を行う
  • 自立や社会参加のための生活全般にわたる支援を行い、分け隔てなく人格と個性を尊重し合って共生する社会を目指す

障害者の定義

身体障害者
  • 身体上の障害がある18歳以上の人
  • 都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものと定義
知的障害者 法律における明確な定義はなし
精神障害者 統合失調症、精神作用物質による急性中毒やその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患がある人と定義
発達障害者
  • 自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の障害がある人
  • 症状が通常低年齢において発現するもの(日常生活や社会生活に制限を受けるもの)と定義

施策の流れ

1981
昭和56
  • 国連が国際障害者年とした年
  • スローガンは「完全参加と平等」
  • この年がきっかけとなり、障害者に対する施策が本格化しました
1982
昭和57
「障害者対策に関する長期計画」の策定
1993
平成5
  • 「障害者対策に関する新長期計画」の策定
  • 障害者基本法の改正
1995
平成7
障害者プラン〜ノーマライゼーション7カ年戦略〜」の策定(障害者基本計画の重点施策実施計画)
2014
平成26
2006年12月に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」に日本が批准
2023
令和5
  • 障害者基本計画」(第5次)の策定(2023年度から2027年度までの5年間)
  • 共生社会の実現に向け、本人の決定に基づく活動参加や自己実現を支援する
  • 社会的障壁を除去するための基本方向(地域社会における共生等、差別の禁止、国際的協調)を定める
2024
令和6
  • 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の改正
  • 事業者に対し社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をすることを義務づけ、行政機関の連携強化や差別解消の支援措置を強化する
  • 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」の改正
  • 地域生活や就労の支援を強化し、希望する生活を実現するための措置(地域生活の支援体制充実、多様な就労ニーズへの支援、精神障害者の支援体制整備、難病患者や小児慢性特定疾病児童への医療充実、データベース規定の整備など)を行う
  1. 身体障害者」と「知的障害者」の定義の対比ですわ💖
    身体障害者 =「18歳以上の人」「都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの」と定義があり、💖
    知的障害者 =「法律における明確な定義はなし」となっています🌹
  2. 1982年は「障害者対策に関する長期計画」ですけれど、
    1993年は「障害者対策に関する新長期計画」と、の文字が入りますわ💖

15-2福祉サービス

  • 障害者に対する基本的な福祉サービスは「障害者総合支援法」に基づいて実施
  • 障害児入所支援と障害児通所支援の根拠法は「障害者総合支援法」ではなく「児童福祉法」となる
  • 原則として障害児への福祉サービスは「児童福祉法」が根拠法となります。
  • ただし、自立支援給付の一部や、身体障害児を対象とした育成医療は「障害者総合支援法」のもとで実施されています。

障害者総合支援法(根拠法)

自立支援給付
実施:市町村
介護給付 居宅介護(ホームヘルプ)、短期入所(ショートステイ)、施設入所支援など
相談支援 計画相談支援、地域相談支援
訓練等給付 自立訓練、就労移行支援、共同生活援助(グループホーム)など
自立支援
医療
更生医療、育成医療(身体障害児対象)、精神通院医療(※実施主体は都道府県等)
補装具費 義肢、装具、車いす等の費用を支給
地域生活支援事業
実施:市町村・都道府県(支援)
①移動支援、②地域活動支援センター、③福祉ホームなど

児童福祉法(根拠法)

障害児入所支援
実施:都道府県
福祉型障害児入所施設
医療型障害児入所施設
障害児通所支援
実施:市町村
①児童発達支援、②放課後等デイサービス、③居宅訪問型児童発達支援、④保育所等訪問支援

手帳の分類と交付

障害の種類によって、どの手帳が交付されるのかを覚えましょう。

身体障害者手帳 身体障害 都道府県知事指定都市市長または中核市市長
  • 障害の範囲は身体障害者福祉法別表で定められている
  • 15歳未満の障害児の場合は保護者が申請する
療育手帳 知的障害 都道府県知事指定都市市長または児童相談所を設置する中核市の市長(障害児)
  • 児童相談所(18歳未満)または知的障害者更生相談所(18歳以上)で知的障害と判定された人に交付される
精神障害者
保健福祉手帳
知的精神障害
発達障害障害
都道府県知事指定都市市長
  • 1級〜3級までの区分がある
  • 知的障害のみで精神疾患がない人は対象外(両方ある場合は両方の手帳を受け取れる)
  • 手帳の有効期間は申請受理日から2年間(要更新)
  1. 「障害児入所支援」と「障害児通所支援」の実施主体の違いですわ💖
    施設に入る「障害児入所支援」の実施主体は、広域的な都道府県です🌹
    一方で、通ってサービスを受ける「障害児通所支援」の実施主体は、身近な市町村になります🌹
  2. 身体障害者手帳と療育手帳の交付者の違いですわ💖
    身体障害者手帳 = 「都道府県知事、指定都市市長または中核市市長」
    療育手帳 = 「都道府県知事、指定都市市長または児童相談所を設置する中核市の市長(障害児)」

15-3障害者虐待の防止対策

2011年(平成23年)に「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が制定されました。

障害者の定義
  • 「障害者基本法」第2条第1号に規定する障害者のこと
  • 心身の機能の障害があり、社会的障壁によって継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態にある人
障害者虐待の
分類
  • 養護者による障害者虐待
  • 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待
  • 使用者による障害者虐待
障害者虐待の
種類
  1. 身体的虐待
  2. 放棄・放置
  3. 心理的虐待
  4. 性的虐待
  5. 経済的虐待
虐待防止施策
  • 何人も障害者を虐待してはならない規定や、早期発見の努力義務などを設置
  • 虐待を受けたと思われる障害者を発見した者への速やかな通報の義務づけと、具体的なスキームを策定

障害者(児)に関わる機関

福祉事務所
  • 「身体障害者福祉法」「知的障害者福祉法」に定める業務を行う
  • 身体障害者手帳の交付、施設への入所、補装具や更生医療の給付など、身体障害者の福祉についての相談
  • 知的障害者の援護施設への入所など、知的障害者の福祉についての相談
児童相談所 〈障害相談業務〉
  • 障害児入所施設の入所手続き
  • 市町村が行う障害児サービスへの支援(通所手続きや児童発達支援など)
  • 療育手帳の交付判定
身体障害者
更生相談所
身体障害者福祉司による相談、指導、医学的・心理学的な判定など
知的障害者
更生相談所
知的障害者福祉司による相談、指導、医学的・心理学的な判定、巡回相談など
理解を深める方法として、①すべての障害者が対象となる法律や機関等は何か、
②障害の種類に応じて対象となる法律や機関等とは何かなど、
切り口を変えてまとめてみるのがおすすめですわ🌹

障害者(児)に関わる施設

施設 根拠法 目的

障害者支援施設


第一種社会福祉事業
障害者総合支援法 入所支援、生活介護、訓練などを行う

障害児入所施設


第一種社会福祉事業
児童福祉法
  • ①福祉型


    障害児の保護、日常生活の指導および独立自活に必要な知識技能の習得のための支援
  • ②医療型


    障害児の保護、日常生活の指導および独立自活に必要な知識技能の習得のための支援ならびに治療
※第一種社会福祉事業の補足:経営主体は国、地方公共団体、社会福祉法人が原則で、公的規制の必要性が高い事業(入所するタイプの施設など)

児童発達支援
センター


第二種社会福祉事業
児童福祉法 地域の障害児の健全な発達において中核的な役割を担う通所機関
  • 高度の専門的な知識および技術を必要とする児童発達支援
  • 障害児の家族、指定障害児通所支援事業者その他の関係者に対し、相談、専門的な助言その他の必要な援助
  • 肢体不自由児への治療(リハビリ)
※第二種社会福祉事業の補足:届出制で、経営主体の制限はない(在宅サービスを提供する事業など)
  1. 障害児入所施設には「①福祉型」と「②医療型」がありますけれど、治療(リハビリ)を行うのは「②医療型」だけですわ💖
  2. 児童発達支援センターの事業分類🌙
    3つの施設のうち、このセンターだけが唯一「第二種社会福祉事業」に分類されますわ🌹