21-1児童福祉法

社会的養護とは?

保護者がいない子どもや、保護者に育てさせることが適切ではない子どもを、「公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うこと」をいいます。
これは、子どもの最善の利益のために、社会全体で子どもを育むことを目的として行われています。

第1条:
子どもの権利
すべての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとって、適切に養育される権利を持っています。
温かい愛に包まれて保護され、心も体も健やかに成長し、将来に向けて自立が図られるなど、みんなが平等に福祉を保障される権利があります
第2条:
みんなの
責任と役割

社会全体の義務


すべての国民は、子どもが良好な環境で生まれ、その年齢や発達の程度に応じて意見が尊重され、最善の利益が最優先に考えられて、健やかに育つように努めなければなりません

国や自治体の責任


国や地方公共団体は、保護者と一緒に、子どもを健やかに育てる責任を負います

保護者の責任


児童の保護者は、子どもを心身ともに健やかに育てることについて、第一義的責任を負います
第3条の2:
家庭的な
環境での養育
国や地方公共団体は、子どもが家庭で健やかに育てられるよう、保護者を支援しなければなりません。
もし、家庭で育てることが難しい場合は、家庭における養育環境と同様の養育環境(里親など)で継続して育てられるようにします。
それも難しい場合は、施設などを利用して、できる限り良好な家庭的環境において養育されるよう、必要な措置を講じなければならないと定められています

21-2児童の権利に関する条約

国際的な子どもの権利のお約束です。年号の組み合わせがよく試験に出ます。

条約の概要 1989(平成元)年に国連で採択された、18歳未満の児童の権利を守るための国際条約です
日本での動き わが国は、1994(平成6)年に批准しています
※「批准」とは、条約に対して国が最終的に確認を行い、同意を示して条約の内容を実行することを約束することです
第20条
(社会的養護に
関わる部分)
一時的、またはずっと(恒久的)に家庭環境を奪われた子どもや、子ども自身の最善の利益のために家庭にいられない子どもは、国が与える特別な保護や援助を受ける権利を持っています

21-3社会的養護の課題と将来像

2011(平成23)年7月に厚生労働省が公表した資料です。
特に「基本的考え方」の部分が保育士試験によく出題されています。

役割の変化 昔は「親がいない・育てられない子ども」への対策でしたが、現在は「虐待を受けた子ども」「障害のある子ども」「DV被害の母子」などへの支援へと役割が変化しています。
子育て支援を充実させていく中で、社会的養護の対象となる子どもにこそ、特に支援の充実が必要です
社会的養護の理念
  • 子どもの最善の利益のために
  • 社会全体で子どもを育む
社会的養護の
3つの機能
  • 養育機能

    家庭での適切な養育を受けられない子どもの養育
  • 心理的ケア等の機能

    適切な養育が受けられなかったことによる発達のゆがみや心の傷を回復
  • 地域支援等の機能

    親子関係の再構築支援、自立支援、アフターケア、地域における養育の支援
子どもの養育に
おける
社会的養護の役割
  • 子どもの養育の場としての社会的養護
  • 虐待等からの保護と回復
  • 貧困や児童虐待の世代間連鎖を防ぐために
  • ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)のために
社会的養護の
基本的方向
(4つの柱)
  • 家庭的養護の推進

    里親やファミリーホームなどの「家庭的養護」を優先します。施設で育てる場合(施設養護)でも、できる限り家庭的な環境で養育(小規模グループケア、グループホームなど)を進めるとしています
  • 専門的ケアの充実

    虐待を受けて心に傷を負った子どもたちなどへ、専門的な知識や技術によるケアを行います
  • 自立支援の充実

    自己肯定感を育み、自分らしく生きる力、他者を尊重し共生する力、生活スキルや社会的スキルを身につけられるようにします
  • 家族支援、地域支援の充実

    虐待防止のための親支援、親子関係の再構築、施設による里親等の支援、地域における子育て支援を充実させます

21-4新しい社会的養育ビジョン

ビジョンとは?

「新しい社会的養育ビジョン」は、日本の社会的養護施策の方向性を示すものとして、2017(平成29)年に公表されました。
子どもの権利を守るために、できる限りスピーディーに新しい社会的養護を実現し、その途中で子どもが不利益を受けないよう十分配慮することが書かれています。

都道府県社会的養育推進計画

国はこのビジョンを受けて、各都道府県が計画を立てるためのルール(策定要領)を定めました。 その中では、子どもの意見を聴く取り組み(アドボカシー)や、特別養子縁組の推進、施設の小規模化・地域分散化などが掲げられています。

    新しい社会的養育ビジョンのポイント(9つの柱)

  1. 市区町村の子ども家庭支援体制の構築
  2. ②児童相談所・一時保護改革
  3. 里親への包括的支援体制(フォスタリング機関)の抜本的強化と里親制度改革
  4. ④永続的解決(パーマネンシー保障)としての特別養子縁組の推進
  5. ⑤乳幼児の家庭養育原則の徹底と年限を明確にした取組目標
  6. ⑥子どもニーズに応じた養育の提供と施設の抜本改革
  7. 自立支援(リービング・ケア、アフター・ケア)
  8. ⑧担う人材の専門性の向上など
  9. ⑨都道府県計画の見直し、国による支援