24-1各施設の特徴

乳児院

特徴

  • 家庭で育てられない乳幼児を養育する施設
  • 赤ちゃん中心で、生命を守り、発達を促進することが施設の役割となっています
  • 児童相談所から一時保護委託を受けることも多いのが特徴
  • 両親が育てられないことで入所する乳幼児が中心
  • 1年程度で退所しますが、保護者のもとへ戻れる乳幼児は22.6%
  • 乳児院に入所している赤ちゃんは身体虚弱でお世話が必要という特性があり、それゆえに保護者が養育できなくなり措置に至るケースが多く見られま
施設の目的 乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要がある場合には、幼児を含む)を入院させて養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うこと
対象児童
  • 父母が死亡、行方不明となっている乳児
  • 父母が養育を放棄している乳児
  • 父母の疾病等により父母による養育が困難な乳児
職員配置
乳児10人以上
必置 医師または嘱託医、看護師、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士または管理栄養士
条件配置 心理療法担当職員、保育士、児童指導員、調理員
通知を根拠とした配置 里親支援専門相談員
職員配置
乳児10人未満
必置 嘱託医、看護師、家庭支援専門相談員、調理員
条件配置 保育士、児童指導員
入所時の平均年齢 0.4歳(最も多いのは0歳で71.9%)
平均在所期間 1.4年
障害等の該当ありの割合 27.0%:①その他の障害(11.7%)、②身体虚弱(10.9%)
被虐待経験の割合 50.5%:①ネグレクト、②身体的虐待

児童養護施設

特徴

  • 虐待などによって社会的養護が必要な児童を養育する施設です
  • 社会的養護が必要な子どもを集団で養育します
  • この施設で成長していくため、しつけ、社会的な自立支援も行われます
  • 虐待された子どもが7割を超えるという深刻な状況
  • どの年齢層も入所しますが、入所時は2歳の幼児が多くなっています
  • 在所平均5.2年ですが、措置解除まで長期間養育される子ども(家庭に帰れない子ども)も一定数います
  • 社会的養護に関係する施設の中で最も児童数が多い施設であり、特に保護者がネグレクトをしているケースが多いのが特徴
施設の目的 保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要がある場合には、乳児を含む)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて養育し、あわせて退院した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的としています
対象児童
  • 父母が死亡、行方不明となっている児童
  • 父母等から虐待を受けている児童
  • 父母が養育を放棄している児童
職員配置 必置 嘱託医、個別対応職員、家庭支援専門相談員、保育士、児童指導員
条件配置 看護師、心理療法担当職員、職業指導員、栄養士または管理栄養士、調理員
通知を根拠とした配置 里親支援専門相談員
入所時の平均年齢 6.7歳:①2歳(16.6%)、②3歳(13.8%)
平均在所期間 5.2年
障害等の該当ありの割合 42.8%:①知的障害(14.0%)、②注意欠陥多動性障害(ADHD)(13.3%)
被虐待経験の割合 71.7%①ネグレクト、②身体的虐待
  1. それぞれの施設における「パーセンテージ」は重要ですわ💖
    乳児院 = 保護者のもとへ戻れる乳幼児は22.6%
    児童養護施設 = 虐待された子どもが7割(71.7%)を超えている深刻な状況です🌙

児童心理治療施設

特徴

  • 家庭、学校などで心理・社会的な問題を抱えている児童を入所・通所により、心理治療と生活指導を行う施設です
  • 心理的・精神的問題を抱え、日常生活の多岐にわたり支障をきたしている子どもたちに心理治療を行います
  • 小学校高学年から障害に気づいて入所が増える傾向にあります
  • 虐待された子どもが8割を超えるという非常に高い割合になっています
  • 広汎性発達障害の子どもが50.6%を占めています
  • 障害の治療が終われば、比較的短期間で退所します
施設の目的 家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童を、短期間入所させ、または保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療および生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的としています
対象児童 選択性緘黙(かんもく)、チック、不登校、集団不適応、多動性障害や広汎性発達障害などです
職員配置 必置 医師、看護師、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士または管理栄養士、心理療法担当職員、保育士、児童指導員
条件配置 看護師、心理療法担当職員、職業指導員、栄養士または管理栄養士、調理員
通知を根拠とした配置 調理員
入所時の平均年齢 10.2歳:①10歳(13.8%)、②11歳(13.1%)
平均在所期間 2.5年
障害等の該当ありの割合 87.6%:①広汎性発達障害(50.6%)、②注意欠陥多動性障害(ADHD)(48.1%)
被虐待経験の割合 83.5%:①身体的虐待、②心理的虐待

児童自立支援施設

特徴

  • 不良行為などを起こし、また起こす可能性のある児童を入所・通所により、自立支援を行う施設です
  • 行動上の問題や非行問題などを起こした児童を入所・通所させ、子どもの育ち直しや立ち直り、社会的自立に向けた支援を行います
  • 中学生が中心
  • 虐待された子どもが7割を超える状況
  • 家庭裁判所からの保護処分で入所する児童がいます
  • 原因が解消されれば短期間で退所します
施設の目的 不良行為をなし、またはなすおそれのある児童および家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的としています
対象児童
  • 窃盗を行った児童
  • 浮浪、家出等の問題のある児童
  • 性非行を行った児童
職員配置 必置 医師、嘱託医、個別対応職員、家庭支援専門相談員、児童自立支援専門員、児童生活支援員
条件配置 心理療法担当職員、職業指導員、栄養士または管理栄養士、調理員
入所時の平均年齢 12.8歳:①13歳(30.9%)、②14歳(24.3%)
平均在所期間 1.1年
障害等の該当ありの割合 72.7%:①注意欠陥多動性障害(ADHD)(42.3%)、②広汎性発達障害(39.4%)
被虐待経験の割合 73.0%:①身体的虐待、②心理的虐待

母子生活支援施設

特徴

  • DVや経済的に困窮している母子に自立支援を行う施設です
  • DV(配偶者からの暴力)が原因で入所しているケースが50.3%と半数を超えてます
  • 経済的に困窮している母子が多いのが特徴
  • 母親がDVを受けている姿を子どもが目撃(面前DV)しているケースが多く、そのため子どもの被虐待経験の第1位が「心理的虐待」となっています
施設の目的 配偶者のない女子またはこれに準ずる事情にある女子およびその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退屋した者について相談その他の援助を行うことを目的としています
対象児童
  • 経済的に困窮している女子
  • 配偶者からの暴力を受けている女子
職員配置 必置 嘱託医、調理員、母子支援員、少年を指導する職員
条件配置 個別対応職員、心理療法担当職員
平均在所期間 5年未満が84.2%を占め、そのうち1年未満が最も多い(29.4%)状況
障害等の該当ありの割合 31.0%:①広汎性発達障害(10.1%)、②知的障害(9.2%)
被虐待経験の割合 65.2%:①心理的虐待、②身体的虐待

里親支援専門相談員は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」には規定されていません。
しかし、通知に基づいて、里親等の支援を行う施設である乳児院と児童養護施設に配置されているという重要な決まりがあります。

  1. 「児童心理治療施設」と「児童自立支援施設」の入所が増える年齢の比較ですわ💖
    児童心理治療施設 = 小学校高学年から障害に気づいて入所が増える傾向
    児童自立支援施設 = 中学生が中心🌙
  2. また「障害割合の第1位」の対比ですわ💖
    児童心理治療施設 = 広汎性発達障害が50.6%を占める
    児童自立支援施設 = 注意欠陥多動性障害(ADHD)がトップ🌹
  3. 「母子生活支援施設」は他の施設と決定的に違うのが、虐待経験の第1位が「心理的虐待」である点ですわ💖
    🌹

ファミリーホーム

特徴

  • 施設より規模が小さい大家族のような形態で、家庭と同様の養育環境で養育を行います。
  • 委託される児童は、児童養護施設に入所する児童とほぼ同じ傾向にあります
  • 児童養護施設よりも小さい単位で、より家庭に近いかたちで子どもを養育することができる場所です
施設の目的 養育者の家庭に児童を迎え入れて養育を行う家庭養護の一環として、要保護児童に対し、この事業を行う住居において、児童間の相互作用を活かしつつ、児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性および社会性を養い、児童の自立を支援することを目的としています
対象者 児童養護施設と同じ
  • 父母が死亡、行方不明となっている児童
  • 父母等から虐待を受けている児童
  • 父母が養育を放棄している児童
定員 5人または6人
職員配置
  • 2人の養育者および1人の補助者
  • 2人の養育者は夫婦であること
  • 状況によっては、1人の養育者および2人以上の補助者でも可能
委託時の平均年齢 7.5歳:①3歳(8.8%)、②2歳(8.1%)
平均委託期間 4.3年
障害等の該当ありの割合 51.2%:①注意欠陥多動性障害(17.3%)、②広汎性発達障害(16.2%)
被虐待経験の割合 56.8%:①ネグレクト、②身体的虐待

児童自立生活援助事業

特徴

  • 措置解除された児童等が共同生活を行うことで自立支援を行います
  • 自立援助ホームという共同生活を営むグループホームで実施されてきました
  • 利用にあたっては、まず児童自身が利用希望を出し、そのうえで児童相談所が入所を許可する流れになります

2024(令和6)年4月1日施行の改正内容

  • 年齢による一律の利用制限を弾力化し、年齢要件について都道府県知事が認めた時点まで児童自立生活援助の実施を可能に
  • 教育機関に在学していなければならない等の要件を緩和しました
  • 自立援助ホームでの実施のみならず、これまで養育されていた場所で、措置解除後も児童自立生活援助事業の対象となり、引き続きそこで生活できるようになりました
  • これらにより、たとえば満20歳以降も児童自立生活援助事業を活用して同じ施設等に入所等し続けることが可能となり、社会的に自立することが不安な青年期の児童にとって心強い改正となっています
施設の目的 対象者が共同生活を営むべき住居などにおける相談その他の日常生活上の援助および生活指導ならびに就業の支援(児童自立生活援助)を行い、あわせて児童自立生活援助の実施を解除された者に対し相談その他の援助を行う事業です
対象者 児童養護施設と同じ
  • 義務教育を終了した児童、児童以外の満20歳に満たない者で、措置解除者等
  • 満20歳以上の措置解除者等であって政令で定めるもののうち、学校教育法第50条に規定する高等学校の生徒であること、同法第83条に規定する大学の学生であることその他の政令で定めるやむを得ない事情により児童自立生活援助の実施が必要であると都道府県知事が認めたもの
従来の対象 これまでは、施設などを措置解除された児童が中心とされていました
実施場所 I型 自立援助ホーム
II型 母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設または児童自立支援施設
III型 ファミリーホームまたは里親(親族里親を除く)の居宅
定員 I型 5人以上20人以下
II型 5人以下
III型 ①ファミリーホームの場合:6人以下(委託児童を含む)
②里親の居宅の場合:4人以下(委託児童を含む)
職員配置 管理者、指導員
委託時の平均年齢 16.6歳:①16歳(31.4%)、②17歳(26.3%)
平均委託期間 1.2年
障害等の該当ありの割合 50.8%:①注意欠陥多動性障害(16.9%)、②広汎性発達障害(14.7%)
被虐待経験の割合 77.7%:①心理的虐待、②身体的虐待
  1. 「定員数」や「法改正による年齢制限」など、2つの制度で最もひっかけ問題にされやすいポイントの対比ですわ💖

    🌙「定員」の比較🌙


    児童自立生活援助事業(I型:自立援助ホーム) = 5人以上20人以下
    児童自立生活援助事業(II型) = 5人以下
    児童自立生活援助事業(III型:ファミリーホームの場合) = 6人以下(委託児童を含む)
    児童自立生活援助事業(III型:里親の居宅の場合) = 4人以下(委託児童を含む)🌹
  2. 自立援助事業の「2024年法改正」に要チェックですわ💖
    これまでは「満20歳に満たない者」が原則でしたが、法改正によって「満20歳以降も、知事が認めれば継続して利用できるようになった」という点は、今後の試験で注目ポイントです🌹

24-2施設における施策・制度

社会的養護に関わる施設は、様々な施策や制度に基づいて、施設の運営や児童への支援を行っています。

自立支援計画

根拠規定 自立支援計画は「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において規定されています
策定義務 社会的養護関係の施設では、この計画の策定の義務があります
策定の手順 児童相談所において策定された援助指針を踏まえ、施設入所後の子どもについて個別に策定され、施設では計画に基づいた支援を行います
対象施設 乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設
計画の策定者 施設長(ただし、計画案の作成には、子どもの担当職員をはじめ、多くの職員が関わる必要があります。
ここでは、最終的な策定者が施設長という意味であることに注意)
障害児施設
での名称
障害児入所施設で策定される義務のある計画名称は「障害児入所支援計画」といいます

社会的養護に関わる事業

国は、社会的養護に関わる事業を実施しています。
(例:自立援助ホーム等で実施する児童自立生活援助事業や親子再統合支援事業、社会的養護自立支援拠点事業、意見表明等支援事業など)

業務の質の評価

評価の背景
  • 社会的養護関係施設への入所は、子どもが施設を選んで入所するしくみではなく、行政が入所を決定します(措置制度)
  • 施設長による親権代行等の規定があることや、虐待を受けた経験のある児童が増加していることから、施設運営の質の向上が求められています
評価の義務化 そのため国は、自己評価と第三者評価の実施を義務づけています
※社会的養護関係施設では、第三者評価を3年に1度以上、自己評価を毎年実施することが義務づけられています。
  1. 業務の質の評価における「自己評価」と「第三者評価」の実施頻度の対比ですわ💖
    自己評価 = 毎年実施することが義務づけられています
    第三者評価 = 3年に1度以上実施することが義務づけられています🌙